散歩の五百六十話 みんなでパンケーキを作ろう
リアーナさんの屋敷に行った数日後、この日は僕とスーは別れて行動します。
朝早くから、スーは正装に着替えて王城に向かいます。
ブローカー侯爵とブローカー伯爵の裁判に、王族として参加する為です。
「では、行ってきます。帰りは遅くなると思いますので」
「気をつけてな」
「「「「いってらっしゃーい!」」」」
玄関で、出かけるスーをみんなで見送ります。
スーが参加するのはあくまでも当主クラスの裁判だけらしいけど、それでも数件予定されているという。
屋敷に帰ってくる頃には疲れていそうだから、僕たちはみんなで甘い物を作ります。
「じゃあ、パンケーキをみんなで作りましょう」
「「「「おー!」」」」
厨房を借りて、みんなでパンケーキを作っていきます。
メインは僕とアオが行うけど、材料を混ぜるくらいならフラン達でも問題ありません。
センスのいいホルンだったら、焼く行程も問題なくできるかも。
出来上がったパンケーキは、アイテムボックスに入れておけば出来立てほやほやの状態で保存されます。
材料は既に用意してあるので、どんどんと作っていきましょう。
「最初に、やぎの乳と卵をよく混ぜます」
「フランがやるよ!」
「その次は、ヴィヴィがやる!」
最初の混ぜる行程は、元気いっぱいのフランとヴィヴィにやって貰います。
ボウルに材料を混ぜて、泡立て器で二人は力を合わせて混ぜ混ぜしています。
アオが二人の監視をしてくれるので、その間に別の作業をします。
「じゃあ、こっちは粉をふるいにかけようか」
「シロがふるいをふりふりする!」
「ホルンが、ボウルを抑えているよ」
薄力粉をふるいにかけて細かくしていきます。
この世界ではベーキングパウダーがないので、フランとヴィヴィのヤギの乳と卵まぜまぜに頑張って貰います。
粉のふるいも順調に出来たので、バターを湯煎して溶かしたものと一緒に混ぜ合わせます。
「この行程は色々言われているんだよね。ざっくり二十回混ぜれば良いっていう人もいるし、粉っけが無くなるまで混ぜた方が良いって人もいるんだよ」
「「「「へえ、そーなんだ」」」」
パンケーキも、材料によってどう作るかが違ってくるんだよね。
今回は、粉っけがある程度無くなるまで混ぜ合わせます。
「じゃあ、ここから焼いていくよ。フライパンは、あんまり熱くすると焼きむらができちゃうんだよ」
「「「ふむふむ、そうなのか」」」
いつの間にかヴィクトリー男爵家の料理人が集まってきたけど、この辺の火加減って結構難しいんだよね。
フライパンに生地をのっけて、まず片面を焼いていきます。
「あっ、ぽつぽつ泡が出てきた!」
「大体三分くらいで泡がでてくるんだよ。この時点で、ひっくり返すよ」
目の良いシロが、生地に出来た泡を直ぐに見つけていた。
ひっくり返して、二分くらい焼けば完成です。
「じゃあ、綺麗に焼けたかみんなで試食しましょう」
「「「「わーい」」」」
シロ達が一番楽しみにしている、試食タイムの始まりです。
出来上がったパンケーキを切り分けて、ジャムをつけてみんなで食べます。
「うん、上手く出来ているな」
「「「「美味しい!」」」」
どうやら上手くいったみたいで、シロ達も満足そうにパンケーキを食べていました。
ではでは、どんどんと焼いていきましょう。
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