散歩の五百五十九話 リアーナさんにお土産を渡します

「し、シュンさん大丈夫ですか? 随分とお疲れですけど」

「朝から、服の採寸をしていてね……」

「ああ、うん、何となく私も何があったのか理解しました」


 昼食前に、僕達はリアーナさんの実家であるブルームバーグ公爵家に向かいました。

 もちろん、温泉街でブルームバーグ公爵家の別荘に一泊させて貰ったお礼をする為です。

 しかしながら、僕だけでなくシロ達も朝から採寸をする為に着せ替え人形となっていたので既に疲労困憊です。

 リアーナさんもヘロヘロな僕を見て同情していたので、同じく着せ替え人形になって大変な目にあっていたようです。

 スーだけは、ニコニコと平常運転でした。


「改めて、温泉街で泊めて頂きありがとうございました」

「「「「ありがとう!」」」」

「いえいえ、こちらこそどういたしまして」


 改めて僕とシロ達がリアーナさんにお礼を言うと、リアーナさんもニコニコしながら返答してきました。

 そして、みんなでリアーナさんにお土産を手渡しました。


「「「「みんなで買ったんだよ!」」」」

「まあ、そうなんですね。ありがとうございます」


 シロはもちろん、フラン達も自分達でリアーナさんへのお土産を選んでいます。

 自分達で選んだお土産だから、渡すのも嬉しいみたいです。

 もちろん、リアーナさんもお土産を受け取ってニコニコとしています。

 僕とスーもリアーナさんにお土産を渡して、これでひとまず完了です。

 話は、数日後に行われるスラム街での炊き出しに移ります。


「スラム街での炊き出しなのに、多くの令嬢が集まるんですね」

「警備は厳重にしますし、何よりも私達の存在を利用して犯罪者を捕まえますので」


 僕がスーに確認をしていたけど、前回の大教会での炊き出しとほぼ同じくらいの貴族令嬢が集まります。

 更に無料治療も行うけど、こちらはスー、フラン、ヴィヴィがメインで対応します。

 特にスーとフランは、各地での治療で荒くれ者と対峙していたから少々の暴漢は相手になりません。

 リアーナさんも簡単な回復魔法が使えるので、スーと共に治療にまわる予定です。

 しかし、貴族令嬢が炊き出しに集まるのには別の理由もありました。


「シュンさんの手料理が食べられるのを、他の貴族令嬢が楽しみにしていました。あっ、スーさんという存在がいるので、下手なアプローチはないと思いますよ」


 一度僕の料理を食べて以来、機会があれば僕の料理を食べてみたくなってしまいました。

 そんなに、貴族令嬢が夢中になる料理は作っていないんだけどなあ。

 変なアプローチが無くて、僕としては助かるけど。

 その後も、時間の許す限り色々な話をしました。

 何だか、ほのぼのとした時間ですね。

 因みにヴィクトリー男爵家に帰って昼食を食べると、僕とシロ達の体力が尽きたのでみんなでお昼寝タイムに突入しました。

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