散歩の五百五十七話 ちょっとお昼寝タイム

 陛下との話も終わり、僕達は王城からヴィクトリー男爵家に向かいました。

 うん、料理は大した事ではなかったけど、相手が相手なだけに精神的に疲れてしまった。

 さすがに、部屋に戻ったら少し休みたいと思った。


「シュンさん、お父様相手ですから大丈夫でしたよ」

「それでも、流石に一国の王相手じゃ料理も気を使うよ」

「お父様は、単純にシュンさんの考案した温泉街の料理を食べたかっただけですわ」


 スーがそんな事を言ってくれたけど、ドラゴンのウロコを譲って貰う為の布石だったのかもしれない。

 まあ、そのくらいならと思いつつ、僕達はヴィクトリー男爵家に一週間ぶりに帰りました。


「「「「ただいまー」」」」

「おかえりなさい、楽しかったみたいね」

「「「「うん!」」」」


 ヴィクトリー男爵家に着くと、セーラさんがにこやかに出迎えてくれた。

 そういえば、セーラさんの出産もあと一ヶ月に迫っているんだよね。

 年始も色々とあるけど、年末に向けてもまだまだイベントが控えています。

 お土産は、仕事で不在のガンドフさんとブレッドさんが帰って来てから渡します。


「では、私は着替えたらケーシーとテルマのところにお土産を置いてきますわ」

「気を付けてな。僕は、部屋で休んでいるよ」

「「「ついて行く!」」」


 スーはさっそくお土産をケーシーさんとテルマさんのところに置いていくみたいだけど、ヴィヴィだけはついていかないようです。


「うみゅ、眠くなっちゃった……」


 ヴィヴィは、温泉街から王都への旅で疲れてしまったみたいです。

 ごしごしと目をこすっていて、今にも眠ってしまいそうです。


「じゃあヴィヴィ、僕と一緒に寝るかい?」

「うん、パパと寝る……」


 僕がひょいとヴィヴィを抱っこすると、ヴィヴィは眠たそうに僕の胸に顔をこすってきました。

 王城で昼食を食べていて、ある意味助かったのかもしれない。


「スー、シロ達も気をつけて行ってくるんだよ」

「ええ。シュンさんも、ゆっくりと休んで下さい」

「「「行ってくるね!」」」


 僕は、ほぼ眠りかけのヴィヴィを抱いたままスー達を見送りました。

 リアーナさんのところは、明日改めて伺うとしよう。

 そのまま僕は、ヴィヴィと一緒に部屋に向かう事に。


「すー、すー」


 既に寝てしまったヴィヴィをベッドに寝かせて、僕は旅服から普段着に着替えました。

 スー達が帰ってくるのは夕方かなと思いつつ、僕もベッドに移動してヴィヴィの隣でお昼寝を始めました。

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