散歩の五百五十五話 王城に到着して即料理をする事に
道中は特にトラブルもなく、温泉街を出て数時間後には無事に王都に到着しました。
僕達は、そのまま王城に向かいます。
「ねえシュンお兄ちゃん、昼食はどうするの?」
「うーん、王城で食べるのかヴィクトリー男爵家で食べるのかのどちらかだと思うよ」
「じゃあ、もうそろそろ食べられるんだ。流石にお腹が空いちゃったよ」
僕も、シロほどじゃないけどかなりお腹が空いています。
簡単なおやつを食べていたとはいえ、フラン達もお腹が空いているみたいです。
ここは、お土産を渡して何があったかの話をして、さっさと切り上げた方が良さそうです。
僕は、その時はこう思っていました。
ジュー、ジュー。
そして王城について五分後、僕とアオは何故か王城の厨房で昼食の準備をしていました。
どうしてこうなった……
「はあ、まさか王家が揃いも揃って天ぷらを食べたいとは。完全に予想外だった」
お土産は執事に渡し、スーとシロ達はジェフちゃんとのふれあいを兼ねて王太子殿下夫妻と応接室にいます。
僕とアオだけ、厨房にドナドナされました。
しかも料理人に料理方法を教えないといけないので、結構面倒くさい。
こればっかりは仕方ないと思いつつ、ついでにから揚げとサラダを作って提供しよう。
天ぷらも、野菜をメインにエビと魚も使用します。
ある程度バランスの良い料理になったはずです。
出来上がりを提供するので、僕とアオは揚げたてを皿に盛り付けて食堂に持っていきました。
「はぐはぐはぐ、から揚げ美味しいね」
「「「「美味しい!」」」」
やっぱり、子どもはから揚げが好きだよなあ。
シロ達だけでなく、ジェフちゃんもから揚げをニコニコしながら食べています。
ちょっと濃い目の味付けにして、にんにくも効かせているのでお酒のおつまみにもなります。
対して、大人組は天ぷらを楽しんでいました。
味は、つゆと塩の二つにしています。
「ほほう、これがシュンの考案した天ぷらというものか。サクサクとして、中々美味だな」
「うむ、これは美味いぞ。作り方はさして難しくないから、料理人の技術が問われるぞ」
陛下も王妃様も、天ぷらを味わって食べていました。
王城の料理人なら、直ぐに美味しい天ぷらを作れる気がする。
それほど、新しい料理を覚えるのに貪欲な姿勢を見せていた。
王太子殿下夫妻にも天ぷらは高評価だったし、取り敢えず昼食としては合格をもらえたみたいだ。
陛下から簡単な話があるらしいけど、僕もアオもまずは腹ごしらえをしないと。
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