散歩の五百四十二話 温泉街の代表との会談
美味しい昼食を食べた後は、予定通りに温泉街の代表と会います。
僕とスーだけで良かったんだけど、シロ達も参加したいと言うので一緒に応接室に向かいます。
「いやあ、急に押しかける形となり申し訳ないですな」
「いえいえ、大丈夫ですわよ」
昨日も会っている温泉街の代表は、少し詫びながらもざっくばらんに話しかけてきました。
畏まった喋り方じゃないけど、当のスーが全く気にしていないからこのまま進めましょう。
「用件ですが、湖にドラゴンが久々に来たのでドラゴンをモチーフにした品物を温泉街で売り出そうとしています。代官にも話をしたけど、念の為にスーザン殿下にも話をしようと思ったんですよ」
「そういう事ですね。少々お待ち下さい」
温泉街の代表からの話を聞いたスーが、通信用魔導具を取り出して連絡を始めた。
温泉街は王国直轄地なので、陛下に確認しているのだろう。
僕としては、あまりにも歪曲した物を売らなければ全然問題ないと思うけどな。
そして、スーの通信用魔導具にあっという間に返信がきました。
「王城に確認をしたところ、売り出しても問題ないそうです。ただ、質の悪い物を売らない様に、温泉街の組合と代官でチェックして欲しいそうです」
「もとよりそのつもりです。変なものを売ってドラゴンに知られたら、温泉街が消滅する可能性がありますからな。よく聞かせましょう」
温泉街の代表がニコニコしながら話をしてきたけど、あのドラゴンは簡単には怒らないけど確かに温泉街をあっという間に消滅するだけの力はある。
製作者には、その辺を聞かせれば下手なものは作らないと思うよ。
実際に、別荘に飛んできた巨大なドラゴンを見ているはずだし。
「昨日ドラゴンがこの別荘に来ましたが、街の人の様子はどうですか?」
「驚いた者もいたけど、特に変わりないですよ。王家の別荘にドラゴンが来たというのも、大きな材料だったかと。王家はドラゴンと結びつきがあると思って納得した者もいるし、湖のドラゴン伝説が復活したと喜んでいた老人もいたぞ」
「その程度で済んで良かったですわ。事前に周知頂き、ご苦労をおかけしました」
そっか、ドラゴンが飛来したのが王家の別荘で、尚且つ現役の王族であるスーもいた。
王家がドラゴンと結びつきがあるという、絶好のアピールになったんだ。
あと、温泉街の人たちと観光客は、肝っ玉が座っていたのかも。
こうして、もう少し話をしてから温泉街の代表は帰っていきました。
因みに、シロ達はお菓子も食べずに大人しくしていました。
この後の釣りで、沢山魚を食べるつもりだそうです。
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