散歩の五百四十一話 大満足の遊覧が終わります

 売り子からの買い物が終わったところで、僕たちは船内に移動しました。

 というのも、湖上を吹く風が結構冷えていました。

 窓が大きく取られているので、船内からも湖の景色がよく見えます。


「湖には幾つかの島があり、地元では神聖な島とされています」

「「「「へー、そーなんだ」」」」


 時折船内アナウンスから湖の紹介が流れていて、シロ達はアナウンスを聞いてビックリしていました。

 中々ためになる事も話されていて、僕もスーも驚く事もありました。


「湖畔の森をご覧下さい。この時期は、一部の木々が紅葉していて、湖とのコントラストが大変美しくなっております」

「「「「おー! すごーい、きれー!」」」」

「確かに、とても綺麗だ。紅葉の名所なんだな」

「そうですわね。とても美しいですね」


 そして、赤や黄色に紅葉して美しい木々と湖とのコントラストが綺麗な場所に差し掛かりました。

 僕もスーも、あまりの美しさに息を呑んでしまいました。

 前世では見たことがなかったけど、紅葉の名所ってこんな感じなんだ。

 シロ達も、景色に見入っていました。


「時期的にも、良いタイミングで温泉街にきたな。旅をしている間も、時折こんな感じで観光を楽しんだよな」

「そうですね。東の辺境伯領での花見もありましたし、海水浴も楽しめました。本当に運が良いですよね」


 各地や王都で主にレッドスコーピオン絡みのトラブルに巻き込まれていたから、たまにはこういう観光をしてゆっくりするのも良いだろう。

 スーも、シロ達も、もちろん僕も息抜きは必要です。

 その後も湖の名所を船内アナウンスが教えてくれて、結構楽しめました。

 こうして、一時間の観光船はあっという間に終わりを告げました。

 全員荷物を持って、船内から船着き場に降ります。


「みんなどうだったかな。楽しかった?」

「「「「楽しかった!」」」」


 シロ達もアオも、大満足だった様です。

 子爵領で観光船に乗れたら、こんな感じだったのかなと思ってしまいました。


「じゃあ、そろそろ昼食だから別荘に戻ろう。きっと、美味しい食事が用意されているよ」

「「「「わーい」」」」


 時間も良いタイミングなので、僕たちは寄り道をせずに別荘に戻る事にしました。

 すると、船内で一緒だった子ども達が僕たちに手を振ってきました。


「「「ばいばーい!」」」

「「「「ばいばーい!」」」」


 あの子達も観光船を楽しめたのか、とても良い笑顔を見せていました。

 こうして、大満足の観光船を後にして別荘に向かいました。

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