散歩の五百四十三話 久々の釣りです

 今日のお楽しみその二の、湖へ釣りをしに行きます。

 流石に水に濡れるとまずいので、冒険者の服装で行きます。


「どれだけ釣れるかな?」

「いっぱい釣りたいな」

「初めてだから楽しみ!」


 フラン、ホルン、ヴィヴィは、仲良く手をつなぎながら釣りに思いを馳せていました。

 特に初めて釣りをするヴィヴィは、ワクワクが抑えきれないみたいです。

 そして、湖にある釣りスポットに到着しました。

 さっそく、貸釣りのお店に行きます。

 ここも子爵領の貸釣りと同じく、釣った魚をさばいて塩焼きにしてくれるみたいですね。


「いらっしゃい、人数分かい?」

「アオの分もだよ!」

「ははは、スライムが釣りをするとはな」


 アオを頭に乗せたシロが店主に話をしていたけど、シロは一緒についてきたアヤとアイの分も頼んでいた。

 シロとアオは、みんなで楽しみたいみたいですね。


「せっかくなので、みんなで楽しみましょう。良い思い出になりますわよ」

「「ありがとうございます」」


 すかさずスーがアヤとアイに話しかけていたので、これで憂いはないですね。

 スーと一緒に釣りをすれば、お世話をしている事になります。

 シロ達は僕たちのところに来て、アオはスーのところにいますね。

 ということで、さっそく釣りを始めます。

 みんなで釣り用の桟橋に向かいます。


「湖に落ちないようにね」

「「「「はーい」」」」


 念の為に注意をして、僕も釣りを始めます。

 こういう時は、誰が一番最初に釣れるか自然と競う事になるんだよな。

 確か、前回はスーが一番最初だったはず。


 くいくい、くいくい。

 バシャン!


「おっ、僕が一番最初だ!」

「「「「おお、すごーい!」」」」


 今回は、まさかの僕が一番最初だった。

 シロ達は、あっという間に釣り上げた僕の事を褒めてくれた。

 しかし、喜びもつかの間だった。


 ぷくー。


「「「「あっ、お魚が膨らんだ!」」」」

「またあんたかい!」


 そうです、釣った魚がぷっくりと膨れ上がりました。

 またもや、川ふぐさんとの遭遇でした。

 川ふぐと目があって、ニヤリとしてきたのは気のせいではないと思ってしまった。

 僕は、泣く泣く川ふぐを湖に戻した。


「あっ、釣れたよ!」

「フランも釣れた!」

「ホルンもだよ」

「ヴィヴィも!」


 そして僕が川ふぐを捕まえてわずか数分後に、シロ達は食べられる魚を釣り上げていた。

 意気揚々とシロ達は貸釣りの店に向かっていたが、そこにはスー達の姿もあった。

 もしかして、今回も僕は川ふぐのみを釣り上げる展開なのか?

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