散歩の五百三十九話 観光船に乗り込みます
そして温泉街の責任者との面会は、調整をして昼食を食べた後に決まりました。
という事で、さっそく僕たちは準備を整えて湖に向かいます。
それなりの服装をした方がトラブルが少ないというので、スーは貴族のドレスを身につけて僕もそれなりの服を着ます。
シロ達はヒラヒラした服が嫌いという事で、ドレスでなくいつもの冒険者服を着ています。
でも、侍従のアヤとアイがついているから、普通の観光客とは思われないだろう。
「午前中はお船に乗るけど、大きなお船と小さなお船のどっちが良い?」
「「「「大きいの!」」」」
歩きながら念の為にシロ達にどんな船に乗りたいか聞いたけど、過去に子爵領にあった観光船が整備中で乗れなかった事もあるから果たして希望通りにいくかは判りません。
その際は、小さな手漕ぎボートに乗っていたっけ。
そして別荘から歩く事十分で、湖にある船着場に到着しました。
結果はどうでしょうか。
「あっ、十分後に出発するって!」
「ちょうどタイミングが良かった。じゃあ、乗船手続きするぞ」
「「「「はーい」」」」
「では、私が対応します」
アヤが乗船手続きをしている間、シロ達は目の前にある観光船にワクワクしていました。
目の前にある観光船は、前世の某ネズミ王国にあった観光船に似ている。
結構大きな船で、マストみたいなものも付いていた。
僕たちだけでなく、他にも多くの観光客が船着場に並んでいました。
「おまたせしました。こちらがチケットになります」
「じゃあ、船の中に入るぞ」
「「「「おー!」」」」
「ふふ、元気いっぱいですわね」
無事にチケットを購入したので、僕たちは船の中に入っていきます。
元気いっぱいで船の中に入っていくシロ達を、スーは微笑みながら見つめていました。
船の中には購買もあって、飲み物やお土産が売っています。
でもまずは船首に移動して、船上から見える船の景色を見ることに。
「「「「すごーい、大きい湖だね!」」」」
「周りに遮るものがないから、遠くまでよく見えるな」
「確かに、別荘から見える湖とはまた違って見えますわ」
僕たちは、船から眺める湖の景色に圧倒されていました。
湖の岸辺には見事な紅葉が広がっていて、僕たちだけでなく他の観光客も景色に見入っています。
良いタイミングで湖に来たかもしれないね。
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