散歩の五百三十六話 リアーナさんの別荘に泊まる事に

 森での調査が終わって冒険者ギルドを出たタイミングで、リアーナさんからこんな提案がありました。


「前にもお話しいたしましたが、我が家の別荘に泊まりにきませんか?」

「「「「いくー!」」」」


 リアーナさんの提案に、僕とスーではなくシロ達が先に答えていました。

 僕とスーは、少しクスッとしながら顔を見合わせました。


「お言葉に甘えて、お邪魔させて頂きますわ」

「「「「やったー!」」」」


 改めてスーがリアーナさんに返事をすると、シロ達も再度喜びを爆発させています。

 とはいえ、リアーナさんはブルームバーグ公爵家のご令嬢だから、王家程ではないにしろ別荘は大きそうです。

 一旦王家の別荘に戻って、着替えてからブルームバーグ公爵家の別荘に向かいます。


「皆様、お気をつけて行ってらっしゃいませ」

「「「「行ってきまーす」」」」


 ワンウェイに見送られながら、僕たちはアイが御者をする馬車に乗って王家の別荘を出発します。

 歩いても数分のところにあるそうですが、念の為に馬車で向かいます。


「「「「こんにちは!」」」」

「皆様、ようこそブルームバーグ公爵家の別荘へ」


 そして、あっという間に三軒隣にあるブルームバーグ公爵家の別荘に到着しました。

 いつもはポニーテールにしている髪をおろして、綺麗なドレスを着ているリアーナさんが玄関で僕たちを出迎えてくれました。

 流石に王家の別荘ほど広くはないけど、それでもかなりの大きさの建物が目の前にありました。


 ガチャ。


「こちらが建物の中になっております。湖がよく見えるように、大きな窓を備え付けております」


 別荘の中は木をふんだんに使った温かみのある内装で、大きな窓から湖も綺麗に見えています。

 装飾品も控えめに備え付けられていて、品の良さを感じます。

 そんな別荘の中を、僕たちはリアーナさんの先導で歩いていきます。


 カチャ。


「こちらが、皆さんがお泊り頂く部屋になります。ベッドルームが二つございますので、シュンさんとスーさんで分けて寝れますわ」

「「「「すごーい、ひろーい!」」」」


 ゲスト用の寝室も、とても広い作りだった。

 侍従用の部屋もあり、アヤとアイの寝る場所も確保できます。

 というか、寝室が二つあるってのも凄いなあ。

 シロ達は、既に大きなベッドにダイブしていました。


「夕食のご用意ができましたら、またお呼びしますね」

「「「「はーい」」」」


 リアーナさんは、僕たちにニコリとして部屋から出ていきました。

 僕とスーは、応接セットに座ります。


「リアーナさん、とても張り切っていましたね」

「そうですわね。とても可愛らしかったですわ。私が王族というのを抜きにして、もてなそうとしてくれるのがよく分かりますわ」


 一生懸命に説明するリアーナさんが、少し微笑ましかった。

 そんな事を思いながら、僕はアヤが煎れてくれたお茶を口にした。

 スーも、ホッと一息ついていますね。

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