散歩の五百三十三話 お腹いっぱいのお礼
黄金色のドラゴンの後をついていくと、これまた大きな採掘跡に出た。
その中に入って見て、僕たちはもの凄くビックリしました。
「これが、話をした脱皮の抜け殻だ。正直なところ、場所を取って仕方ないのだ」
「「「「おおー、凄い凄い!」」」」
うん、これ程までのドラゴンの抜け殻があるとは思わなかった。
中には綺麗に姿を保った抜け殻もあるので、シロ達は思わず大興奮だ。
「えっと、この抜け殻をどこまで持っていけば良いんですか?」
「可能なら全部だ」
「はっ?」
「全部だ」
あの、僕の顔を見て真顔で言わないで下さい。
ざっと見積もっても、体育館五つ分は軽くありそうなんですけど。
僕は、シロの腕の中にいるアオと顔を見合わせました。
この量が、アイテムボックスに入るのかな?
まずは、アオと半分ずつでやってみましょう。
僕とアオは、ドラゴンの抜け殻の前に移動します。
「いくよ、せーの」
しゅっ。
「「「「「おー!」」」」」
「うむ、見事だ」
僕とアオがドラゴンの抜け殻をアイテムボックスにしまうと、綺麗に半分ずつ収納する事ができました。
うーん、あっさりと収納できちゃったので、僕とアオも思わず拍子抜けしちゃいました。
僕たちの後ろでは、スーも混じって全員びっくりしていました。
「この分だと、他の抜け殻も大丈夫そうだな。我についてくるがよい」
僕とアオがあっさりとドラゴンの抜け殻をアイテムボックスに収納しちゃったので、黄金色のドラゴンは僕たちを更に奥に案内しました。
あの、もう報酬としてはとんでもない量を貰ったんですけど。
「ここにあるのも全部持っていって良いぞ」
「あの、さっきの三倍以上の量がありますが……」
「気にするな」
うん、何となく分かったけど、ドラゴンって頭がとても良いけど結構大雑把です。
僕は、思わずがっくりとしながら、アオと共に抜け殻の前に行きました。
「せーの」
しゅっ。
「「「「「凄い!」」」」」
「うむ、まだまだ余裕そうだな」
またまたあっさりとドラゴンの抜け殻をアイテムボックスに収納できたので、僕は思わず自分のアイテムボックスの収納能力にびっくりしちゃいました。
一体、どのくらいの物を収納できるのか、自分自身がびっくりしちゃいました。
「よし、では次の場所に向かうとしよう。魔力の流れを見ると、まだまだ余裕たっぷりだな」
「あの、あと何ヶ所ありますか?」
「あと三ヶ所だ。我としては最初のところの半分でも凄いと思ったのだがな。この際だから古い物は全部持っていって貰おう」
「えー!」
こうして、僕とアオのアイテムボックスの収納能力に気をよくした黄金色のドラゴンは、次々にドラゴンの抜け殻のある場所に僕たちを案内して行きました。
中には、ドラゴンの抜け殻だけではなくドラゴンに挑んで負けた冒険者の装備品も貰っちゃいました。
中々品の良い魔法剣もあったりします。
「いやいや、流石だな。邪魔なところがスッキリしたぞ」
「ははは、そうですね……」
こうして、お礼としてとんでもない物を貰ってしまった。
しかし、超ご機嫌な黄金色のドラゴンを前にすると、返すってとても言い出せませんでした。
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