散歩の五百三十二話 闇組織の構成員の見分とエンシェントドラゴンからのお礼
そして、エンシェントドラゴンの近くにある闇組織の構成員の死体を調べる事に。
既に死体の肩の辺りが露出しており、そこにはサソリの刺青がハッキリと刻まれていた。
「鑑定魔法を使っても、確かにレッドスコーピオンの構成員と出ている。奴らがこのドラゴンの里で、何らかの事をしようとしていたのは間違いないな」
「ええ、可能性が高いのはドラゴンの素材を得ようとした事で、ここにいるドラゴンを全て殺害して王家に何かあっても助けに来なくしようとする可能性もありますわ」
スーの推測に、僕も頷きます。
闇組織は、自分たちの強化と僕たちの弱体化を両方狙った可能性がある。
何にせよ、闇組織の目論見は不完全で終わったのだろうな。
「エンシェントドラゴン様、二つお願いがございます。まず、ドラゴンの治療を終えた事と先ほど教えていただきました内容を、国王である父にお伝えしたいと思っております。もう一つが、この闇組織の構成員の遺体を王都に持って行きたいというお願いになります」
「二つとも許可しよう。我がお主らに話した事は、王家の者なら知っていて問題ないし、死体もここにあっては邪魔だ」
「ありがとうございます」
エンシェントドラゴンの許可も取れたので、スーはさっそく通信用魔導具で陛下に一連の事を送信していた。
僕はというと、ちょっと気が引けたけど闇組織の構成員の遺体を冷凍魔法で凍らせてから、シーツに包んでアイテムボックスに収納した。
うん、流石にアイテムボックスに死体が入っているのは気が引けるよ。
大体の事が終わったタイミングで、更に僕たちのところに駆け寄ってきた足音が聞こえてきた。
「シュンお兄ちゃん、スーお姉ちゃん、全部の治療が終わったよ!」
「わあ、凄い大きなドラゴンだ!」
「大きいな、凄いよ」
「カッコいい!」
シロ達も、アオを抱きながら僕たちのところにやってきました。
意外とシロとアオはエンシェントドラゴンを見ても平然としていたけど、他の三人はエンシェントドラゴンを見てその大きさに大興奮していた。
「お主らにも、色々と手間をかけた。ドラゴンの長として礼を言おう」
「「「「どーいたしまして」」」」
エンシェントドラゴンは、シロ達にも礼儀正しくお礼を言っていた。
ともあれ、これで治療はひと段落ですね。
「其方達に、お礼をしないとならないな。そうだ、我の脱皮の際に出たウロコを其方達にやろう。正直に言って、場所を取って邪魔なのだよ」
ここで、とんでもないお礼を渡すと言ってきた。
あの、エンシェントドラゴンの脱皮の抜けからって、もの凄いお宝じゃないですか。
スーも、もの凄くビックリした表情に変わっています。
エンシェントドラゴンとの話は終わったので、僕たちは黄金色のドラゴンの後をついて行きながら別の場所に向かいます。
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