散歩の五百二話 みんなの服選び

 王城に行った翌日は、予定通りヴィヴィの服を買いに行きます。

 ついでに腕の良い武器屋に行って、ヴィヴィの武器も見てきます。

 朝食を食べたら、馬車に乗って街に繰り出します。

 まずは、ヴィクトリー男爵家御用達の商会に向かいます。


「そうだ、フランとホルンも少し服が小さくなったから纏めて購入するか」

「シロちゃんも服を見てみましょうね。シロちゃんも成長期ですから」

「「「「わーい」」」」


 今日は時間もあるし、シロ達は直感で服を選ぶから直ぐに決まります。

 スーも服選びに時間をかけるタイプではないので、とっても安心です。

 因みに商会の場所が分からなかったので、スーが馬車の御者をしていました。


「スー、商会には行くって連絡してあるの?」

「はい、我が家の者が昨日の内に商会に連絡しております」


 この辺りの手際の良さは、流石はスーと言った所です。

 アオは、商会の場所を覚えるぞと僕と一緒に御者席にちょこんと座っています。


「どんな服を買うのかな?」

「とっても楽しみだね」

「ホルンいっぱいお金あるから、自分で服を買おうかな?」

「服をいっぱい見れるんだ!」


 シロ達も、思い思いにどんな服が良いか話していました。

 みんなで楽しくお喋りしながら、目的の商会に到着です。

 馬車を商会の人に預けて、僕達は商会の中に入ります。

 商会に入ると、スーツを着て髪をびしっと決めている紳士が僕達を待っていました。


「スーザンお嬢様、いえスーザン殿下、我が商会に来て頂き誠に感謝申し上げます」

「わざわざ出迎えて頂き、こちらこそ感謝しますわ」

「「「「おおー」」」」


 紳士が綺麗な一礼をしてスーに挨拶し、スーも何事もなかった様に挨拶を返していた。

 綺麗な礼儀に、シロ達は思わず感嘆の声を漏らしていました。

 間違いなく紳士は商会の会頭で間違いなさそうだけど、かなりできる人に見えるぞ。


「要件は、こちらにいる四人の服と水着の新調をお願いいたします。特にこのヴィヴィには、普段着や冒険者服も含めて複数用意して頂ければかと」

「畏まりました。それでは、係りの者が皆様をご案内いたします」

「こちらにおいで頂けますでしょうか」

「「「「はーい」」」」


 商会の担当者がシロ達の事を服のエリアに案内しているけど、アオも一緒だしこのままお任せですね。


「スーザン殿下、シュン様、こちらにて休憩して下さいませ」


 そして、会頭さんが僕とスーをテーブルに案内します。

 既に紅茶とクッキーが用意されていて、物凄く手際が良いと感じた。

 あっ、僕もヴィヴィの件で頼まないといけない物があるぞ。


「僕も揃えて頂きたい物があります。初心者向けの冒険者セット一式と子ども向けの寝袋、それに子ども向けのマジックバッグをお願いします」

「畏まりました。全て商会にございますので、直ぐに準備いたします」


 会頭は商会の人に指示を出して、僕のお願いした物を揃えてくれています。

 最悪冒険者ギルド内にあるお店でも揃えられるけど、商会にある物の方が品物が良いでしょう。


「さてっと。とても質の良い紅茶だね」

「はい。私はこの商会で出される紅茶が好きなんです」

「過分なお言葉、恐れ入ります」


 紅茶に詳しいスーが太鼓判を押すだけあって、かなり質の良い紅茶が出されていた。

 さて、シロ達のおめかしが終わるまでもう少しあるから、紅茶のおかわりを貰いながらゆっくりとしょう。

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