散歩の五百一話 陛下と王妃様にに温泉の予定を報告
温泉に行く日程が決まったので、今日は王城に行って陛下に日程を報告しに行きます。
もちろん王城に行くので、全員王城に行くのにふさわしい服を着ます。
「「「わあー、お姫様みたい!」」」
「ふふ、三人ともありがとうね」
フラン、ホルン、ヴィヴィの五歳児コンビがスーのドレス姿を褒めているけど、スーはリアルお姫様だからそこは忘れないでね。
スーはというと、僕の所にすすっとやってきました。
「シュンさん、少し服がよれています。直しますね」
今日は謁見用の服だけど、ちょっと胸元がよれていたみたいです。
直ぐに、スーが服を直してくれました。
そんな僕とスーの事を、シロとアオがじーっと見ていました。
因みに、今日王城に行く事はスーが事前に通信用魔導具で陛下に伝えていました。
さてさて、馬車に乗っていざ王城に出発です。
「お父様、お義母様、突然お邪魔し、大変申し訳ございません」
「突然のご訪問、失礼いたしました」
「いやいや、何を言うか。スーは余の娘だ。娘が実家を訪れて何が悪いのか」
「そうじゃのう、何も問題はないぞ」
陛下と王妃様は、朝早いのに僕達を歓迎してくれました。
陛下の言う通り、王城がスーのもう一つの実家であるのは間違いない。
一通り挨拶が終わった所で、王妃様がシロに話しかけました。
「時にシロよ。今朝の二人の様子はどうじゃったか?」
「あのね、また玄関で新婚さんごっこしていたよ。スーお姉ちゃんが、シュンお兄ちゃんの服を直していたんだよ」
「うむうむ、仲が良くてなによりじゃ」
「あうう……」
スーよ、今朝僕の服を直したことはもはや屋敷の使用人はスルーしているぞ。
顔を真っ赤にして俯いているけど、気にするだけ無駄な気がしてきたぞ。
とにかく話を進めないと。
「予定では、三日後に王都を出発して現地に一週間滞在する予定です。うちの馬車なら半日もあれば現地に着きますので、逆を言えば王都で何かあっても半日あれば戻れます」
「休養中くらいは、王都の事など気にせず休んでおけ。どうせ新年は忙しくなるのだから、休む時は休むのも大切だ」
陛下は如何にもって感じで話をしてきた。
まあ王都にはガンドフさんを始めとする王都騎士団がいるし、軍も常駐しているから大丈夫か。
「それと、温泉地にある王族用施設の使用許可を出そう。まあスーがいるから何も問題ないし、施設というのはたまに使わないと傷んでしまうものだ」
「その代わりに、世話係の侍従を連れていくのじゃ。出発日の朝に、王城に寄るように」
「わざわざありがとうございます。お言葉に甘えさせて頂きます」
ここは陛下と王妃様からのご厚意を受けておこう。
恐らく世話係の侍従も、陛下や王妃様が温泉に行った時の動線を確認する意味があるのでしょう。
馬車には全然余裕があるし、同行者が増えても問題ありません。
「あとブローカー侯爵とブローカー伯爵の件だが、取り調べで発覚した件を調べるのにまだ時間がかかる。少なくとも年末まではかかるだろう」
「年始の謁見で処分を発表する予定じゃ。まあ、調査結果に関わらず処分内容は確定じゃがのう」
「ブローカー侯爵家は分家も含めて全員捕まっていますし、ブローカー伯爵家はアマンダさんとエバンさんがいますから」
僕達が大きく関わった事件は、もう少し調査に時間がかかりそうです。
ここは軍にお任せですね。
お二人ともこの後の予定があるので、話はこれで終了です。
帰りに王太子殿下ご一家と会って、少しジェフちゃんとフラン達が遊んでから屋敷に戻りました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます