散歩の四百八十七話 突入開始
では、早速突撃しましょう。
馬にアオとフランが乗り込んで、準備完了です。
シュイーン。
「す、スーザン様、う、馬が魔法障壁を使いましたぞ」
「そうですわね。たまたまうちの馬は魔法の才能がありまして、みんなで訓練をしましたわ」
「は、はあ……」
騎士団の副団長は、目の前で起きている事実に混乱していた。
普通、馬が魔法を使うとは思わないもんね。
ダッ、シュン!
「ぐっ、くそー!」
ズドーン、ズドーン、ズドーン。
アジトの二階の窓から闇組織の魔法使いが馬を目掛けてファイヤーボールを乱射するが、馬が身体能力強化を使って猛スピードで駆けていくので全く当たりません。
「ぐっ、コイツラを中にいれるな!」
「駄目です、全部弾かれます」
一階にいる闇組織のメンバーが馬めがけて手当たり次第武器を投げるけど、馬の魔法障壁によって全て弾かれます。
「いけー!」
「「ヒヒーン!」」
ズガガガ!
「「「ギャー!」」」
フランとアオを乗せた馬は、魔法障壁を展開したまま猛スピードでアジトの一階に突っ込んでいきます。
当然馬を阻止しようとした闇組織の構成員は、馬に跳ね飛ばされています。
し、死んでないよね。
重要参考人だから、死なれると困ります。
「じゃあ、僕達も行くよ。シロは二階の右側の窓から、僕は左側の窓から中に入るよ」
「まかせて!」
僕とシロも、魔法障壁アンド身体能力強化の重ね掛けで一気にアジトに近づきます。
「いっくよー!」
「えっ、えっ、ギャー!」
ぴょーん、バシーン。
闇組織の構成員は、まさかジャンプ一発で僕達が二階に飛び込んでくるとは思わなかったみたいだ。
魔法を乱射している部屋にシロが飛び込んで、早速大乱闘が始まりました。
シュタッ。
「よっと、ここは書類をしまっている部屋だな。あっ、あれは!」
僕も二階に飛び込んだのだが、飛び込んだ部屋の真ん中で獣人の女性が腹を刺されて倒れていた。
僕は直ぐに女性の所に駆けつけます。
「う、うぅ……」
「大丈夫ですか? 直ぐに治療しますね」
シュイーン、きらー!
「うぅ……」
僕は女性に回復魔法をかけて、傷が塞がったのを確認する。
でも、出血が多くて危険な状況だ。
今は下手に動かせないから、このまま寝かせておこう。
シュイン、シュイン。
僕は、手当たり次第に部屋にある書類をアイテムボックスにしまっていく。
本当は書類の分類もしたいのだが、今はそんな余裕はないぞ。
ドン!
「おらー、お前何をしてい……」
シュイン、バリバリ!
「グガー!」
何回か部屋に闇組織の構成員が入ってきたが、その度にサンダーバレットで撃退した。
しかし、中々の量の書類があるぞ。
書類をアイテムボックスにしまうのは簡単だけど、如何せん量が多いなあ。
バン!
「シュンお兄ちゃん、二階の人は全員倒したよ!」
「シロ、早かったな。この怪我をした人をスーの所に連れて行ってくれないか?」
「シロにおまかせだよ!」
シロは怪我をした女性を抱きかかえると、窓に立った。
えっ、もしかして飛び降りるつもりか?
「うにゃにゃにゃにゃ!」
だだだだ!
何とシロは女性を抱えたまま壁走りで降りていき、そのまま猛スピードでスーの所に運んでいった。
女性をスーに託すと、シロはあっという間に僕の所に戻ってきた。
「シュンお兄ちゃん、ただいま!」
「シロ、早かったな。じゃあ、書類や証拠品の回収をするぞ」
「おー!」
下の階からドタバタと音が聞こえるけど、二階に闇組織の人物が上がって来ないからきっと大丈夫でしょう。
僕とシロは、部屋を移動しながらアイテムボックスに色々な物を入れていく。
「うぅ……」
「ぐはっ……」
床にのびている連中は放っといて、後で騎士団と聖騎士団に拘束して貰おう。
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