散歩の四百八十五話 事件発生?
そういえば、年明けには各地で出会った人たちも王都にやってくるって言っていたっけ。
場合によっては、王都に来た人に色々と頼むのも良いかも。
「間違いなく、新年の行事以降は闇組織との対決が増えると。機動力に優れるシュン達に色々と頼みたいと、陛下も仰っておられた」
「僕達は冒険者ですから、ブローカー伯爵家の時みたいに直ぐに動けます」
「私たちが先行して色々と動いて、その後から軍が来るやり方も一案としてありかなと思います」
ガンドフさんの言うことも、陛下の考えもよく分かる。
幸いにしてとても良い馬車も持っているし、ある程度はどこにでも行けるだろう。
「教会も、シュン達への協力は惜しまない。人神教は、宗教の名を騙った悪の組織だ。自分達の意見を受け入れない場合は、強硬策で無理やり従えようとする。そんな事はあってはならない。なんせ、この世界は他種族から構成されているからな」
ヘーベル枢機卿も、僕たちに話をしていた。
人神教は一種のテロ組織となっているし、国家転覆を狙っている節もある。
しかし、自身の影響力拡大を狙って人神教に接近する貴族がいるのも事実だ。
あまり強硬な事はしたくないけど、武力と武力がぶつかる事もあるだろう。
できれば市民を巻き込みたくないのだが、そんな不安が現実のものとなってしまった。
ドタドタ、バン!
「ほ、報告します。闇組織のアジトに奇襲をかけた所、闇組織の魔法使いが無差別に魔法を乱射しました。現在も闇組織と交戦中で、市民を含めて怪我人が出ております」
「なんという事だ。奴らは手段を選ばなくなったか!」
「市民にまで怪我人を出すとは」
会議室に駆け込んできた騎士の報告に、全員がビックリしました。
特に騎士団長のガンドフさんと、聖騎士団長のヘーベル枢機卿は思わず立ち上がってしまいました。
「伯父様、メインの話はこれで終わりですか?」
「ああ、後は担当で詰めるだけだ」
「なら、私達も現場に向かいます。治療もできますし」
スーが立ち上がり、僕たちも同じタイミングで立ち上がった。
こういう時こそ、僕達の機動力が活かせる時だ。
「騎士団も直ぐに現地に向かおう。スー、すまぬが頼むぞ」
「はい、伯父様もお気をつけて」
「聖騎士団も行こう。怪我人が出たとなれば、見過ごす事はできないぞ」
一斉に皆が立ち上がり、一気に動き出しました。
正直なところどういう状況か分からないけど、ここは最悪の事態を想定して動かないと。
僕達は、会議室から馬車が停まっているスペースへ動き出した。
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