散歩の四百二十三話 王太子殿下との面会
僕達を乗せた馬車は、無事に王城に到着しました。
王城に入ると、直ぐに職員が僕達を出迎えてくれました。
「騎士団長様、応接室で王太子殿下がお呼びです。また、本日の会議は大会議に変更となりました」
「分かった、直ぐに向かおう」
王太子殿下って、あの陛下と王妃様の息子でエミリア様とスーの兄だよね。
うん、恐らくスーに関する事だろう。
僕達は、職員の後を付いて応接室に向かいました。
こんこん。
「失礼します。騎士団長様が到着されました」
「そうか、入ってくれ」
応接室の中から声が聞こえたので、僕達はそのままドアを開けて応接室に入ります。
「失礼します」
「やあ、良く来てくれた」
応接室の中には、若い男女の夫婦と元気そうな男の子がソファーに座っていました。
スーと同じ髪色なので直ぐに王太子殿下だとわかるけど、サラサラヘアでニコリと微笑むまさに王子様という超イケメンです。
王太子妃様も銀色のロングヘアにスタイル抜群で、とっても温和な感じです。
そして息子さんも王太子殿下と同じサラサラヘアで、これまた超イケメンです。
うん、まさに美男美女の超羨ましいカップルがそこにはいました。
「騎士団長、会議前で忙しいところ済まないね。そしてスー、お帰りなさい」
「殿下におかれましても、わざわざ申し訳ありません」
「ただいま帰りました、お兄様」
にこやかに三人が挨拶を交わした後、王太子殿下は僕の方を向きました。
「君がシュンだね。長い間、スーを守ってくれてありがとう。私はマルク、知っているかと思うがスーの兄だ。そして、妻のアナと息子のジェフだ」
「王太子殿下、お会いできて光栄です。私はシュンです、宜しくお願い致します」
「そんなに固くならなくても良いよ、もしかしたら私とシュンとは義兄弟になるかもしれないのだからね」
うん、にこやかに握手をしながらだけど、王太子殿下もぶっこんできたなあ。
ともあれ、とっても良い人だというのは間違いなさそうです。
「おねーちゃーん!」
「はい、久し振りね、ジェフちゃん」
「ふふ、相変わらずジェフはスーの事が大好きね」
「うん!」
そして、未来の王様であるジェフちゃんは、早速大好きなスーに抱きついていました。
スーはそのままジェフちゃんを抱っこして、話が始まります。
「先ずは、兄としてシュンにお礼を言いたかったのだよ。南の辺境伯領での件を聞いた瞬間、私は馬に乗ろうとしていたぞ」
「この人ったら、年の離れたスーの事を溺愛していたのよ。エミリア様はちょっとお転婆だったのもあって、物静かなスーの事を良く気にしていたわ」
え、エミリア様はちょっとばっかりのお転婆じゃない気がするぞ。
それに、王太子殿下もちょっとシスコンな所があるのか。
馬に飛び乗って南の辺境伯領に行こうとするなんて、中々のものだぞ。
「シュンが誠実な人柄で一安心だ。では、本題に行こうか」
王太子殿下は、真剣な表情で話を切り替えた。
「元内務大臣ブローカー侯爵、貴族主義勢力の有力者の一人だ。侯爵の屋敷には、闇組織の人間がいると見て間違いない」
「そこで、私達も捜索に参加して欲しいという事ですね」
「ふふ、シュンは理解が早くて助かる。そういう事だ。南の辺境伯領の際に、この一派は闇組織を利用して教育まで行なっていた。お互いにズブズブの関係だろう」
そういえば、南の辺境伯領で騒ぎを起こした三男は闇組織の女性から教育を受けていたんだっけ。
他にも、闇組織に関与した人物は沢山いそうだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます