散歩の四百二十二話 王城での会議に向けて出発です
翌朝、僕達は北の辺境伯領で購入したキチンとしている服に着替えます。
「ねーねー、フランの着替えはまだー?」
「ちょっと待ってくれ、ホルンの髪をやったら直ぐにやるよ」
うん、スーの所に寝ていたはずのシロ達が僕の寝ていた客室にやってきて、着替えさせてくれって話になった。
なぜスーに着替えを頼まないかと聞いたら、スーはスーでドレスに着替えているそうです。
陛下と王妃様に会うので、髪の短いシロとフランも綺麗に髪を整えて、髪の長いホルンは少し編み込みをしました。
「よし、これで完成だ。じゃあ行くよ」
「「「はーい」」」
全員の着替えが終わり僕も着替え終えたので、皆で玄関に向かいます。
「ガンドフ様、お待たせしました」
「いやいや、こちらもまだスーが来ていないのでな」
ガンドフ様は濃い青色を基調とした騎士服に身を包んでいて、腰には立派な剣を下げていた。
しかも昨日の貴族服では分からなかったが、かなりの筋肉質の肉体みたいです。
如何にもできる人って、こういう人の事なんだろうね。
パタパタパタ。
「すみません、お待たせしました」
「「「おおー、お姫様みたい!」」」
そして、着替えを終えたスーが小走りでこちらにやってきました。
淡いピンク色のドレスに身を包んでいて、まさに貴族令嬢って装いです。
あとシロ達よ、スーは本物のお姫様だぞ。
「あっ、シュンさん襟がめくれています」
「あっ、本当だ」
「直すので、動かないで下さいね」
冒険中もスーは普通に僕の服を直してくれていたので、この時も普通にお願いしていました。
「「「ニヤニヤ」」」
そんな僕とスーの事を、ガンドフ様だけでなく屋敷の侍従も生暖かい目で見ていました。
「はい、これで良いですよ。うん? 伯父様、どうかされましたか?」
「いやいや、何でもないぞ。さあ、馬車に乗るぞ」
「うん? はい、分かりました」
うん、スーだけ周囲の視線に気が付かなかったみたいですね。
慣れって怖いですね……
カラカラカラ。
僕達を乗せた馬車は、予定より少し早めに王城に向かっています。
会議に遅れるよりも、早く着く方が問題ないですね。
ついでに、ガンドフ様に今日の会議の詳細を聞こう。
「ガンドフ様、今日の会議にはどなたが参加するのですか?」
「本日は人神教と闇組織への対策会議になるので、軍務大臣に各師団長も参加する。陛下と王太子殿下も参加される予定だ」
あのガンドフ様、王女確定のスーはともかくとしてそんな大会議に僕とシロが参加しても良いのでしょうか?
何だか、とっても不安に鳴る面子なんですけど。
「他の軍の幹部も、是非ともシュンに会いたいと言っていたぞ。何せシュンは、ここ一年で闇組織と一番相対した存在だからな。それに、かなりの強さを持っていると聞く。私も時間があれば、是非ともシュンと手合わせしたいものだ」
うん、そういう意味だと、僕は他の軍の幹部におもちゃにされる可能性が高いんですけど。
それに手合わせしても、僕は絶対にガンドフ様に勝てない気がしますよ。
会議が始まる前から、僕は思わずガックリとしちゃいました。
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