散歩の四百二十一話 歓迎会と一人ぼっちの就寝
今日はゆっくり休もうという事になり、話はこれで終わりにして僕とアオは侍従に連れられて客室に案内されました。
スーも、久々に自室に戻って夕食までゆっくりするそうです。
「こちらになります」
ガチャ。
「「「ごーろごろー」」」
侍従が客室を開けた瞬間、大きなベッドの上でシロとフランとホルンがごろごろと転がっていました。
侍従も僕達も、一瞬何があったのかと思って固まっちゃいました。
「あっ、お兄ちゃん。おかえりー」
「シロよ、何をやっているんだ?」
「セーラさんが、ご飯になるまでゆっくりしていてって言ったんだよ」
「「だから、ゆっくりしていた!」」
うん、シロ達は何もやる事がなくて転がっていた訳ですね。
因みに、ベッドは四人が一緒に寝ても平気なくらいとても大きい物です。
でも、シロ達は恐らく交代交代でスーの所に一緒に寝に行くだろうな。
「では、何かありましたらお申し付け下さいませ」
一通り侍従から客室について聞いたけど、ここはお風呂もトイレもついているのか。
しかも、トイレは魔導具式の最新の物だ。
流石は騎士団長様のお屋敷だ。
そう思っていたら、アオが湯船に魔法でお湯を溜め始めていて、シロ達は既にスッポンポンだった。
「シュンお兄ちゃんも一緒にお風呂に入ろうよ」
「「早く!」」
「はいはい、服を脱ぐからちょっと待っていてね」
そういえば、西の辺境伯領から王都に付く間は、ずっと野営だったなと改めて思いました。
「「「わーい」」」
「あまりはしゃがないの。ほら、順番に体を洗うよ」
シロ達も久々のお風呂ではしゃいでいて、中々騒々しいお風呂になりました。
「わあ、とっても美味しそう!」
「良い匂いがするよ!」
「お肉もお野菜もあるね」
そして、夕食の時間になると、とっても豪華な食事がテーブルの上に並んでいました。
「今日はスーが無事に帰ってきたし、シュン達の歓迎もあるのだよ」
「わざわざ、すみません」
ガンドフ様もにこやかに話をしていたけど、流石は貴族の料理って感じです。
シロ達もいるので、ジュースで乾杯する事になりました。
「それでは、スーの帰還とシュン達を歓迎して乾杯をする。乾杯!」
「「「乾杯」」」
ガンドフ様の乾杯で、夕食が始まります。
フランとホルンが食べやすい様に、お肉は食べやすく切られていました。
「わあ、このお肉とっても美味しいよ!」
「このお肉なら、いっぱい食べられるよ!」
「もぐもぐ、お野菜も美味しいの」
シロ達はニコニコしながら、料理を食べていました。
僕もスーも、時々フランとホルンの口の周りを拭いてやったりしています。
「すみません、ガンドフ様。騒がしい食事になってしまって」
「何も問題ないぞ。子どもがいれば賑やかななのは当たり前だし、こうして美味しいって食べてくれて満足だよ」
ガンドフ様は、賑やかに食べているシロ達を見て目を細めていました。
「ブレッドも、小さい時はニコニコとしながら食べていたぞ。スーはどちらかというと、大人しく食べていたな」
「まあ、ブレッドさんにもそんな時があったんですね」
「父上、今そんな話をしなくても……」
いつの間にか、ガンドフ様によるブレッドさんとスーが小さい時の話になっていました。
こうして、にこやかに夕食は進んでいきました。
「シロ、スーお姉ちゃんと一緒に寝たいよ」
「今日は、フランがスーと寝るよ」
「ホルンも、一緒が良いよ」
「じゃあ、皆で寝ましょうね」
「「「わーい!」」」
そして、就寝時はまさかのシロ達が全員スーの所に行く事になりました。
僕は、アオと寂しく寝ることになりました。
うん、ベッドが大きすぎて逆に一人では眠れないぞ。
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