散歩の四百二十話 改めて明日の予定を整理
「では、夕食までゆっくりして下さいね。それとも、屋敷を見て回りたいかな?」
「「「探検したーい!」」」
セーラさんがニコリとしながらシロ達に声をかけているけど、セーラさん妊婦なのに動いて大丈夫なのかな?
「少しは運動をしないと、逆に駄目なのよ。閉じこもってばかりになるので、屋敷の中を歩くくらいは平気よ」
うん、流石は貴族令嬢というか肝が座っています。
そしてセーラ様とシロ達は、屋敷探検に出かけて行きました。
「私達は、これからの事を話すとするか」
僕とスーとアオは、ガンドフ様とブレッド様と共に明日以降の話をします。
「明日は、私も王城に行く事になる。こう見えても、軍の幹部なんでな」
「知っている人がいると、とても心強いです。トーリー様しか、軍に知り合いがいなかったので」
「トーリーと知り合いなら、特に会議でも気にする事はない。元々、私の部下だったからな」
ガンドフ様が、あのトーリー様の上司!?
えっ、もしかしてガンドフ様って物凄い人なのでは?
「シュンさん、叔父様は実は王都の騎士団長なんです。剣の腕は勿論なんですが、統率力や人望も優れていまして」
「えっ!」
「今日はたまたま屋敷におるが、普段は王都の巡回などをしているぞ」
おお、まさかの騎士団長様が目の前にいるぞ。
僕だけじゃなくて、アオもとってもビックリしています。
でも兄が優秀だったからこそ、妹であるスーのお母さんも王太子殿下の教育係に選ばれたんだ。
つまり、ヴィクトリー男爵家は元々優秀な家系だったんだね。
「恐らくだが、会議の後で元内務大臣の屋敷へ強制捜査を行う。間違いなく激戦になるだろう」
「貴族主義でありながら、内務大臣として影響力を持っていましたしね。どんな隠し玉を持っている事か」
「うむ、その通りだ。だから、今は屋敷の周囲を包囲して外部との接触を断つのと監視をするしか手がないのだよ」
王都のど真ん中で大規模戦闘は避けたいけど、ガンドフ様の見立ては確かだ。
でも、これを乗り切らないとならないと、ガンドフ様は思っています。
「我が家も数代前の当主がお金の関係で貴族主義の勢力の下に付いたが、そもそもがそのお金の流れも怪しい。陛下は、良いタイミングとみて一気に王国の癌となっている者を駆逐するつもりだ」
「となると、暫く王都は不安定な情勢になりますね」
「だからこそ、我々騎士団が巡回を強化する予定だ。幸いにして、騎士団には貴族主義はいない。訓練についていけなかったといった方が正しい」
内務大臣の屋敷への強制捜査と、王都の治安維持。
中々難しい会議になりそうです。
そんな会議に、僕とスーが参加して良いのかとっても不安です。
「シロちゃんは、申し訳ないがシュンと共に作戦に同行してもらう。あれだけの戦力は、我々にとっても魅力的だ」
「流石にフランとホルンは幼いので、前線は勘弁ですよ」
「それは分かっておる。我々も小さな子を前線に出したりはしない。そして、今後の事は内務大臣の屋敷への強制捜査が終わってからになるな」
取り敢えず、明日が一つの勝負になりそうですね。
スーもアオも、ガンドフ様の話を真剣に聞いていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます