散歩の四百二十四話 会議室に向かいます
そろそろ会議の時間になるので、僕とスーとシロは王太子様とガンドフ様と共に移動しなければならない。
でもフランとホルンはどうしようかなと思ったら、まさかの話が出てきました。
「フランちゃんとホルンちゃんは、ジェフと一緒に絵本を読んでましょうね」
「「「はーい」」」
アナ様が、纏めて子ども達の面倒を見てくれる事になりました。
同じ五歳児同士、既に仲良く手を繋いでいました。
「フラン、ホルン、大人しくしているんだよ」
「「だいじょーぶ!」」
元気よく返事をするフランとホルンに手を振って、僕達は応接室を後にしました。
「シュンもスーも、ずっと子守をしていたのだな」
「ええ、大変でしたがこうやって元気になって良かったです。フランとホルンも虐待されていた上に、悪魔召喚の生贄にされる所でしたので」
「その話は、私も聞いている。ここ一年で人神教が働いた、最も大きな悪事の一つだからな。元気になってくれて、ホッとしているよ」
東の辺境伯領で起きた悪魔召喚騒ぎは、とんでもない大事件だったもんなあ。
王都から、聖騎士団がわざわざやってきたレベルだもんな。
時間を見て、教会に挨拶に行かないといけないね。
そんな雑談をしながら、大会議室に到着です。
「あの王太子殿下、この会議室とんでもなく大きいのですけど……」
「そりゃそうだ。今日は軍の幹部に加えて、内務大臣以外の閣僚に副大臣クラスも集まる。闇組織レッドスコーピオンに人神教関連の事は、それだけ重要だという事だよ」
あの、軍の会議だけでお腹いっぱいなのに、いつの間にか全閣僚会議クラスの陣容になっちゃったのですか……
流石にガンドフ様もこの展開は予想外だったみたいで、思わず苦笑していました。
「しかも、殆どの参加者が僕に視線を送っているのは、きっと気の所為ですよね……」
「シュンさん、現実逃避しないで下さい。ほら、閣僚が挨拶しに来ましたよ」
そして、僕はとっても偉い人達から挨拶攻めを受ける事になりました。
嗚呼、全く覚えられないよ……
後で、スーに色々と教えて貰おう。
取り敢えず、白髪で髭も長い人が宰相で、筋肉で騎士服がパツンパツンなスキンヘッドの人が軍務大臣だという事が分かりました。
後は、うん、無理だ。
脳みその処理が追いついていないぞ。
僕達にチラリと視線を送ってくれたトーリー様が、今は心のオアシスです。
「お、揃っているな。そろそろ始めるとするか」
うん、何で一番偉い人である陛下が会議室に入ってきてホッとしたのだろうか。
こういうのは、会う順番があるよなあ。
「そうそう騎士団長、今朝の二人の様子はどうだった?」
「私の目の前で、スーがシュンの襟をこちらを全く気にせずに直しておりました。しかも、さも当たり前の様にシュンも受け入れておりました。私も、死んだ妻に良くされていたのを思い出しました」
「ほう、それはそれは中々だのう。既に当たり前の様に、スーはシュンの身だしなみを整えておるのか」
「「「ニヤニヤ」」」
あの、ガンドフ様?
何で呆れた表情で、今朝の一幕を陛下に素直に話すのですか?
流石にこの場で偉い人達の前で話されると、僕もかなりキツイものがありますよ。
「あぅぅ……」
「スーお姉ちゃん、大丈夫?」
スーも今更ながら意識したのか、顔どころか首筋まで真っ赤にしてうつむきました。
シロ、武士の情けだ。
暫くスーを、そっとしておいてやってくれ。
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