散歩の四百十六話 スーの実家に到着です
これで僕達と陛下と王妃様の話は終わり、王城を出発して改めてスーの実家であるヴィクトリー男爵家に向かいます。
僕は、御者を務めるスーと共に御者席に座ります。
シロ達はアオと共に、こたつに入ってぬくぬくとしていました。
「あっ、そうだ。スー、冒険者服のまま陛下と王妃様と話をしていたけど、大丈夫だったかな?」
「シュンさん、今更ですよ。お二人が何も言っていないので、全く問題ありませんわ」
服装の事を今更ながらに思い出したけど、逆にスーが少し笑って緊張がほぐれたみたいです。
「私の秘密を知ってシュンさん達が困惑してしまうのではないかと、私から離れてしまうのではないかと思いました。でも、全くそんな事はなく、逆に陛下と王妃様との話を進めて貰いとても有り難かったです」
「まあ、流石に最初はビックリはしたよね。でも、各地の辺境伯様の態度とか扱いを思い返すと、逆にすんなり腑に落ちるんだよね。それに、長い時間一緒に旅をした仲間だから、スーを嫌いになるとかはないよ」
「シュンさんらしいですね。でも、ありがとうございます」
スーも、何だか吹っ切れた良い表情をしています。
僕も、スーの事を知れて良かったと思っています。
そして、王城を出てから程なくしてスーの実家であるヴィクトリー男爵家の屋敷に到着です。
「「「おおー、大きいね」」」
シロ達が馬車の中から顔を見せているけど、男爵家の屋敷にしては大きいかなと僕も思いました。
皆で馬車を降りて、馬の装備を外してから馬車をアイテムボックスに収納します。
「お馬さん、ありがとうね」
「「ありがとー」」
「「ヒヒーン」」
馬は、ヴィクトリー男爵家の厩舎に向かいました。
うん、厩務員の人が、自分の後を馬が普通に着いてきてビックリしているぞ。
あの馬はとっても賢いからなぁ。
「ここが、私の生まれ育ったヴィクトリー男爵家です。先ずは応接室に向かいましょう」
「「「はーい」」」
やはり生まれ育った実家に帰ってきて嬉しいのか、スーも良い笑顔になっています。
屋敷の応接室に案内されると、一人の女性が僕達を出迎えてくれた。
「スー、お帰りなさい。そして、皆様ようこそヴィクトリー男爵家へ」
「お義姉様、只今戻りました」
「「「こんにちはー」」」
とても品の良さそうな女性で、薄い水色のウェーブヘアに目も濃い青です。
そして、ある特徴が。
「お義姉様、もしかして赤ちゃんを授かったのですか?」
「ええ、あと二ヶ月で出産予定よ。もしかしたら、新年には赤ちゃんが誕生するかもよ」
スーの義姉は、自身の大きなお腹をにこやかに撫でていました。
と、ここで改めて自己紹介です。
「私はセーラ、血縁的にはスーの従兄弟である次期当主の嫁ね。宜しくお願いしますわ」
「僕はシュンです。旅の間、スーには大変お世話になりました」
「シロだよ。このスライムは、アオだよ」
「フランです!」
「えっと、ホルンです」
セーラさんは、とっても親しみやすい人柄で、初対面の僕達にも優しくしてくれます。
とっても良い人が、お嫁さんにきているんだった。
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