散歩の三百九十三話 馬車用の買い物をします

「「「じゃーねー」」」

「「「ヒヒーン」」」


 僕達は牧場から街に戻ります。

 良い訓練だと思って、僕が御者をしながら馬車で移動します。


 パカパカパカ。


「凄いですわ、振動が少なくてとても乗り心地が良いです」

「本当ですね。高級な馬車よりも良いですわ」


 スーとトリアさんは、馬車の乗り心地の良さにビックリしていました。

 クッションを敷いてブランケットを膝にかけていて、既にリラックスモードです。

 最新のサスペンションが付いているだけあって、振動が少なく感じます。


「おおー、動いている!」

「凄い凄い!」

「楽しいね」


 シロ達は、僕の後ろにやってきて馬車から見える景色に興奮しています。

 馬車便の時もいつも先頭に乗っているけど、この馬車でも先頭でいそうだね。

 因みに、アオは馬の背中に乗っています。

 馬と、何かお喋りしているみたいですね。


「じゃあ、最初に好きなクッションを買ってきてね」

「「「はーい」」」


 最初についたのは、そこそこ大きめの商会です。

 今までは持ち運びに便利なクッションを買っていたけど、今回は大きめで座り心地の良いクッションを選びます。

 女性陣が好きなクッションを選んでいる間に、僕は小さめのテーブルとかも購入して馬車用のマジックバッグに入れておきます。

 更には、魔導具型のランタンや毛布にカイロみたいな温かくなる魔導具も購入します。

 これで、寝る時も寒くありません。

 念の為に、予備の枕と毛布も買っておこう。


「「「買ったよー」」」

「いっぱい買ったな、マジックバッグに入れておけよ」

「「「はーい」」」


 シロ達も買い物を終えたので、今度は本屋さんに向かいます。


「ねーねー、何の本を買うの?」

「馬の飼い方の本だよ。後は、シロ達の勉強の本だね」

「「「勉強……」」」


 あらら、勉強って聞いたシロ達がしゅんってなっちゃった。

 でも、馬車で移動中だと時間もあるから、簡単な勉強をさせないと。


「ほら、シロ達も好きな本を選んで良いぞ」

「「「はーい……」」」

「「くすくす」」


 しょぼしょぼしながら書店に向かっていくシロ達の事を、スーとトリアさんもちょっと笑いながら見送っていました。

 こうして、必要な物は購入出来たので、僕達は辺境伯様の屋敷に戻りました。


「良い馬車を買ったわね。こういうのは、少し高くても良いのを買うことが重要よ」

「はい、値は張りましたが質の良い馬車が買えました」


 庭に出ている馬車を見たエミリア様も、質の良さに太鼓判を押していました。

 因みに、出発まで馬は辺境伯家の厩舎で面倒を見てくれるそうです。


「「「わーい」」」


 馬車には孤児院の子ども達とケントちゃんが乗っていて、アオが御者をしていました。

 王都に出発するのは二日後なので、僕達も馬とのコミュニケーションを深めないとね。

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