散歩の三百八十九話 僕達も王都に向けての買い出し

 僕達も、王都に出発する前の買い出しをする必要があります。

 この日は孤児院の子ども達への勉強を午前中で切り上げて、午後から買い物に出かけました。


「最初に言っておくけど、お菓子は一番最後に買うよ。最初に必要な物を購入するから」

「「「「えー」」」」


 いきなりお菓子を買わせない為に、女性陣には釘をさしておいた。

 ぶーぶーと文句が出たけど、こればっかりは譲れないぞ。

 僕とアオは、最初に食料品を買うことに。


「念の為に、二週間分の食料を買うぞ」

「果物は?」

「いっぱいじゃなければ、買っていいよ」

「「「「やったー!」」」」


 お菓子を食べるよりも、果物を食べた方が栄養がある。

 といっても、シロ達よ。

 腕に沢山抱えるほどの果物は、流石に多いと思うぞ。

 まあ、三人の笑顔に押されて買っちゃったけどね。


「寒くなってくるから毛布も新調して、寝袋も温かいものにしよう」

「マフラー買っていい?」

「いいぞ、人数分用意してね」

「はーい」


 食料は買ったので、次は服屋に行きます。

 これから冬に向かうから、道中の防寒はしっかりしないと。

 マフラーもそうだけど、手袋も買っておこう。


「コートも持っておいて良いですね」

「スー、どれが良い?」

「良くわからないよー」

「フランとホルンは、羽が出ても良いものを買いましょうね」「「はーい」」


 スーは、フランとホルンのコートを選んでいます。

 シロにも、フードの付いた可愛らしい物を選びます。

 これから先も使えるし、持っておいて損はないですね。


「テントは、少し広いのを二つ用意しよう」

「えー、皆で一つでも良いんじゃないかな?」

「シロよ、もう少し自分が女の子ってのを自覚しなさい」


 年頃のスーもいるのだし、ここはテントを二つに分けた方がベターだな。

 シロと二人の時は一つのテントで良かったけど、今は流石に無理だぞ。

 調理器具は揃ってるし、取り敢えずこんな物で良いかな?


「次は、お菓子を買いましょうね」

「「おー!」」


 旅に必要な物は購入したので、今度こそって感じでスー達がお菓子のお店にくり出しました。

 しかし、スー達のマジックバッグはもういっぱいじゃないかな?


「大丈夫です。お菓子用のマジックバッグを購入しました」


 スーよ、胸を張ってドヤ顔でいう事じゃないぞ。

 お菓子だけの為に高価なマジックバッグを購入するなんて、使い方間違っているんじゃないかな?

 と、僕の心の叫びを無視して、スー達は色々なお菓子屋さんに繰り出していた。

 こればっかりは仕方ないと思いつつ、僕はアオとぶらぶらしながら待つことに。


「ただいま戻りました」

「「「ただいま!」」」


 そしてスー達は、お菓子屋さんに行って一時間後にホクホク顔で戻ってきました。

 うん、敢えてどのくらいのお菓子を買ったかは聞かないでおこう。

 何だかんだありながらも、王都に向けての買い出しは終了です。

 これで、いつでも王都に向けて出発できます。


「お兄ちゃん、明日も買い物に行く?」

「もう必要な分は買ったから、買い物には行かないよ」

「「「「えー!」」」」


 シロちゃんだけでなく、女性陣全員が明日買い物に行かない事に不満顔だった。

 年に関係なく、女性は本当に買い物が好きだね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る