散歩の三百七十一話 廃材を使って何か出来るかな?
そして、翌日から手分けして作業を再開します。
孤児院が倒壊すると周囲に立っている他の建物にも影響が出るから、解体する為の準備を行います。
教会の方は片すものは無いし、若い大工の改修計画待ちなので今日は何もやりません。
「よっしゃ、どんどんとやるぞ」
肝心の作業員はというと、十人を超える冒険者が集まった。
半分以上が建築の経験があり、未経験の冒険者に教えるそうです。
先ずは、足場を組みます。
「じゃあ、僕とアオのアイテムボックスに荷物を入れて……」
「あんちゃん、そこは新人にやらせな。どういう荷物をどうやって運ぶか、新人に叩き込まないとならないぞ」
トラ獣人の冒険者のリーダーっぽい人が、アイテムボックスを使わずにあえて荷物を運ばせるみたいです。
じゃあ、僕達は何をやればいいかと思ったけど、現時点ではあまりやる事がないぞ。
「あんちゃん達が凄腕の魔法使いなのは皆知っているが、魔法に頼っていたらしょうがない。あんちゃん達はどんと構えて、何かあった時に備えていれば良いんだよ」
現場を見に来た棟梁にも、冒険者と同じ事を言われてしまった。
僕達は、休憩の準備や昼食の準備をする事にした。
ぷちぷち。
シロ達は、昨日と同じく草取りをしています。
でも、教会の庭はそこまで広くないので、今日中に草取りは終わりそうです。
とはいえ、やる事がないのは本当に暇だな。
サクサクサクサク。
「アオ、何やってるんだ?」
治療所兼屋台で料理の準備をしていると、アオが木の破片を風魔法で削っていた。
何をしているのかと思ったら、小さな女神様の木像を作っていた。
「わあ、とても良く出来ていますね」
「小さいから、持ち運びするのにも便利ですね」
「場所も取らないので、一般家庭にも置けますね」
アオはスー達に作った木像を見せていたが、精巧過ぎないのが逆に良い感じになっている。
しかも、ご丁寧に木像の裏にはスライムのマークが彫られていた。
「アオ、もしかして解体する孤児院の廃材でこの木像を作るつもり?」
僕の問いかけに、アオは触手で丸を作っていた。
「アオ、風魔法を使えるのは僕とアオだけだよ。もしかして二人で作るつもり?」
アオは、またもや触手で丸を作っていた。
孤児院建設費用の足しになるかもしれないけど、かなり大変な事だぞ。
主に僕が。
「じゃあ、私達にも出来る廃材の活用方法を検討しますね」
スー達も、廃材を使って何か出来ないか考えていた。
こうして、お茶休憩までの間、僕達はあーだこーだ意見を出し合っていました。
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