散歩の三百七十二話 少しずつ作業が進んでいきます
昼食時に、棟梁や冒険者に廃材の再利用について聞いてみた。
「よく使われるのは、加工して机や椅子にする事だな。後は棚や小物などにも使われるぞ」
「チャンピオンが作った木像は、端材を使う事になるな。ただ、まともに使える木材がどのくらい残っているかがカギだ」
大体は、想像の範疇の回答です。
とにかく孤児院を解体して、使える廃材があるかがポイントですね。
「それとは別に使い所に困る端材が木工場にあるから、それは木像として彫っても構わないぞ」
「利益配分も考えないとならないので、後でエミリア様と司祭様と相談ですね」
棟梁の提案を使っていいかは、偉い人に確認しないと。
さて、僕は仕事をしながら話を続けています。
「あんちゃん、肉サンドお代わり」
「俺もだ!」
いやあ、集まった冒険者がよく食べる事。
不味いと言われるよりかは、ずっと良いけどね。
「いやあ、満腹だ。流石は雷撃の料理人の作った料理だな」
「できれば夕食に持ち帰りたいのだが……」
棟梁も沢山食べて、ご満悦です。
すると、新人冒険者が僕に申し訳無さそうに話しかけてきた。
「食材がまだあるから大丈夫ですよ」
「「「いよっしゃー!」」」
僕の発言を聞いて、新人冒険者が凄い気合をみせています。
このくらいでやる気をみせてくれるなら、安いものですね。
怪我だけは注意して、作業を進めて下さいよ。
僕はそう思いながら、持ち帰り用の料理の準備を進めます。
「よし、今日はここまでだな」
獣人って力持ちだ。
今日だけで、解体用の足場を作ってしまったぞ。
明日から本格的に解体が始まるので、今晩はゆっくり休むそうです。
「「「草取り終わった!」」」
「皆凄いわね」
「「「えへへ!」」」
シロ達も、教会の草取りを終えたみたいですね。
僕もスーも、頑張ったシロ達を褒めます。
今日はこれで解散で、明日また頑張りましょう。
「そうそう。棟梁から連絡があって、大工が作った教会の床の張替えの計画書が出来たそうよ。明日から、早速床を剥がすための冒険者が来るわ」
夕食時にエミリア様が僕達に話しかけてきたけど、教会の修繕の方もいよいよ動き出すのか。
となると、明日からはより一層忙しくなりそうですね。
因みに、小さな木像の件は司祭様確認で問題なければオッケーになりました。
販売は、教会に一任する方向です。
「孤児院の子ども達も、相変わらず元気よ。将来の為に、読み書き計算は教えないとね」
「就職先の幅が広がるから、是非とも教えた方が良いですね」
エミリア様は、孤児院の子ども達の将来の事も考えていました。
因みに、孤児院担当になっている侍従が色々と教える予定だそうです。
少しずつだけど、物事が進んでいますね。
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