散歩の三百六十九話 孤児院の子が辺境伯様の屋敷に到着します
子ども達もいるけど、歩いて十分で辺境伯様の屋敷に到着です。
「「「うわあ、大きい!」」」
孤児院の子どもは、初めて見る大きなお屋敷に大興奮です。
と、ここで一足先に屋敷に帰ったエミリア様が僕達を出迎えてくれました。
「ごめんなさいね、皆は我が家の離れに住んで貰うのよ」
「「「うわあ!」」」
辺境伯家の敷地内には、今は使われていない使用人向けの家があるという。
それでも、普通の家よりも全然大きいけどね。
「いつでも住める様に綺麗にしていたし、孤児院出身の侍従を付けさせるわ」
「宜しくお願いします」
「「「おねがいしまーす!」」」
エミリア様の配慮で孤児院担当の侍従も付けてくれたし、何かあっても安心だね。
早速離れに入って、アオのアイテムボックスにしまっていた荷物を取り出します。
「部屋割りはしてあるから、各自で荷物を持っていってね」
「「「はーい」」」
エミリア様は、侍従に指示を出して子ども達を部屋に誘導します。
スー達やシロ達にトリアさんも、子ども達の荷解きを手伝います。
アオも荷解きを手伝うみたいで、シロ達と一緒についていきました。
その間に、エミリア様が僕に耳打ちをしてきます。
「せっかくだから、料理長と共に昼食を作ってくれないかしら。シスター長にも、消化の良いものを出してくれるとありがたいわ」
エミリア様も子ども達に申し訳ない気持ちがあるみたいだし、ここは僕も頑張って料理の腕を振るおう。
僕は屋敷に行き、厨房に向かいます。
すると、既に厨房では昼食の準備が行われていました。
「おお、あんちゃん待っていたよ」
「豪勢な料理かと思いましたが、豪快な料理の方なんですね」
「普段は、質素な料理を食べているんだ。いきなり貴族料理なんて出したら、子ども達も緊張して食べられないさ」
料理長も孤児院の子ども達を気遣ってか、料理にも配慮してくれていた。
確かに、豪華な食事では子ども達は気後れしそうだね。
「それに、この街は子どもは皆で育てようという風習がある。だから、あんちゃんも孤児院の子ども達の事は気にしないで良いぞ」
おお、料理長がニヤリとカッコいい事を言ったぞ。
確かにこの街は、皆で協力する雰囲気があるよね。
エミリア様も司祭様も棟梁も直ぐに動いてくれたし、そこは獣人らしいおおらかさがあるのかもしれないですね。
僕も、気合を入れて料理を作ります。
でき上がった料理は、僕のアイテムボックスに入れて離れの食堂に持って行きます。
さてさて、結果はどうかな?
「「「おいしー!」」」
子ども達は、満面の笑顔で料理を頬張っています。
礼儀作法なんて気にしないで食べられるもんね。
「おいちーね」
「うん!」
いつの間にかケントちゃんも子ども達に混じって昼食を食べていたけど、エミリア様も一緒だから問題ないね。
因みに、シスター長も食事を取れるまで回復したそうです。
これで、孤児院はひとまず安心です。
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