散歩の三百六十七話 今日の作業方針が決定します
「孤児院が古いのは俺も知っていたが、まさかここまでとは……」
教会にやってきた棟梁が改めて教会と孤児院を見ていたが、やっぱり教会よりも孤児院の方がヤバかったみたいです。
特に基礎部分が駄目みたいで、しゃがみこんで何回も見ていました。
「棟梁、孤児院は如何でしたか?」
「あれはまずい、今すぐにでも倒壊する危険性があるぞ」
「何とそこまでだとは。これも私の不徳の致すところです」
教会にはエミリア様と司祭様も来ていて、棟梁から報告された孤児院の惨状にびっくりしていました。
緊急対応が取られる事になったのだが、シスター長は病気なので教会にいたシスターと話をします。
「教会の床の張替えと木像の修復も進めるとするけど、先ずは孤児院をどうにかしないとなりませんね。幸いにして屋敷に空いている部屋がありますので、当面は我が家で面倒をみます」
孤児院で暮らす子ども達とシスターさんは、辺境伯様の屋敷に避難します。
シスター長も、屋敷で療養する事になりました。
「この孤児院から巣立った者は数多くおります。実は、私もその一人です。卒院生にも声をかけましょう」
歴史が古い教会だけあって巣立った人も多いと思ったけど、まさか司祭様もこの孤児院の出身だったとは。
建築に関わる寄付などを、卒院生に呼びかけるそうです。
「ガン、レン、お前らが教会再建の責任者になれ。俺達も手伝うから、気持ちを込めて立派な仕事をしろ」
「「はい!」」
現場指揮は、棟梁の計らいで若い大工二人がとることになりました。
教会内は床を張り替えて木像を修理すれば良いから簡単らしいけど、孤児院は一から立て直しだ。
設計図を引いて、場合によっては土地を高くしないといけない。
この世界には機械とかもないから全て手作業だし、かなり時間が掛かりそうだ。
だけど、やる事が決まったので皆動き出します。
「先ずは、孤児院から我が家への引っ越しね。皆の荷物を纏めましょう」
「アオちゃんが、マジックバッグに全部入れてくれるって」
引っ越し作業は、主に女性陣とアオが行います。
捨てて良いものとかも分からないので、取り敢えず全部持って帰ります。
「誰もいなくなるから、女神様の像は木工場に持っていって修復だな」
「じゃあ、女神様の像は僕のアイテムボックスに入れます」
僕達は、女神様の木像を木工場に持っていきます。
それ以外の装飾品も、修繕の為に全て持っていきます。
さてさて、まだお昼前だけどとても忙しくなってきたぞ。
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