散歩の三百四十九話 とんでもない物を見つけちゃった
そして周辺の巡回からアオが帰ってきたけど、シロを通じてエミリア様に何かを話しているみたいだ。
うん、嫌な予感がするぞ。
「トリアさん、エミリア様の所に行ってきます。何かあったみたいです」
「お気をつけ下さいませ。こちらは他の侍従も揃っていますので、このまま仕込みを続けます」
ついでだから、僕はケントちゃんとマリアさんと一緒にエミリア様の所に向かいます。
目的地は一緒だもんね。
「おかーさま、まんまるやき!」
「あら、ケンちゃん。お使いありがとうね」
「えへへ」
やはりというか、ケントちゃんが屋台にやってきたのはエミリア様の指示だったんだ。
マリアさんもケントちゃんの側にいるし、安全面は問題ないです。
さてさて、本題に移りましょう。
話が話なので、ケントちゃんはマリアさんと一緒に辺境伯様と先代様の所に向かって貰いました。
「シュン、これを見て」
エミリア様は、手のひらに乗るほどの大きさの魔導具を持っていました。
見た目は手榴弾みたいだけど、まさかこれは……
「もしかして、爆発型の魔導具ですか?」
「当たりよ。しかも時限式の物ね。ほら、懐中時計みたいな物が付いているでしょう。既に動力の元となる魔石をアオが抜いちゃったから、爆発する危険性はないわ」
うお、何という物が仕掛けられていたんだろうか。
流石に僕もびっくりしたぞ。
「これは、結婚式で使用する舞台の下に置かれていたわ。一度舞台は完全に壊れていて、昨日の朝改めて組み立てているわ。となると、昨日から今朝にかけて誰かが仕込んだというわけね。しかも、ご丁寧に魔導具と分からない様にゴミに包まれていたわ」
「場所的には人が入り込むスペースは無いし、誰かがこの魔導具をゴミを投げ捨てるかの如く投げ入れた訳ですね。それだと、魔導具を発見するのも難しいですね」
どう考えても、結婚式が盛り上がっているタイミングでドカンってする気だったのだろう。
しかもゴミに見える様に偽装までしてあるから、パッと見では全く分からないぞ。
「アオじゃないと分からない場所にあるとなると、我々では不審物を見つけるのは難しいですね」
「そうね。たまたま一つ見つけただけかもしれないから、アオには暫く周囲を見てもらう事にしたわ。勿論、警備兵にも情報を伝えているから、集中的に見てもらうわ」
うーん、それだとアオの負担が大きいから別の手立てを考えないといけないな。
あっ、この手はどうだろうか?
「エミリア様、まだ時間があるのでこういうのはどうでしょうか?」
「それは良い考えね。結婚式を迎えるにあたって、街の人の協力を得る事にもなるわ」
という事で、突発的だけど結婚式前に色々な事をする様にしました。
街の人もノリが良いから、きっと協力してくれるはずだよ。
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