散歩の三百三十九話 収穫祭会場に辺境伯家が到着

 大体の準備が終わった所で、辺境伯家の皆さんが馬車に乗ってやってきました。

 今日は流石に、馬車の周囲を多くの兵の警備でがっちりと固めています。


「「「おお、凄い衣装だ!」」」


 収穫祭というのもあってか先代様に辺境伯様は貴族らしい豪華な衣装を着ていて、エミリア様も貴族らしい豪華なドレスを身に纏っています。


「わあ、おまつりだー!」

「ふふ、今日と明日は収穫祭ですよ」

「そーなんだ!」


 ケントちゃんもとても凛々しい服を着ていて、ケントちゃんを抱っこしているマリアさんもちょっと豪華な侍従服を着ています。

 ケントちゃんは広場でちょっとしたお手伝いをしたけど、準備が整ったところは初めて見たもんな。

 目を輝かせていて、元気いっぱいです。


「シュン、準備は万端だな」

「はい、何時でもいけます」

「そうか、ご苦労だな」


 もうお供え物もばっちりなので、先代様も満足そうに広場を見回していました。

 因みに不審物がないかも、アオが何回も広場を巡回してばっちりです。

 そして、更に教会からも司祭服とシスター服に身を包んだ司祭様とシスターさんがやってきました。


「皆様、お待たせして申し訳御座いません」

「いや、こちらも今しがた到着した所だ」

「左様で御座いますか。では、早速収穫祭の準備を進めてまいります」


 司祭様は、辺境伯様に挨拶をしてから祭壇に向かって準備を始めました。

 それに伴って、広場に多くの人が集まってきました。

 神に収穫の報告をする時は、街の人も一緒に行うみたいですね。


「さてと、僕達は何処に座れば良いかな?」


 僕達もそろそろ席に座らないといけないけど、気になるのはいつの間にか辺境伯家の席の後ろに椅子が並べられている事です。

 そして、シロ達が当たり前の様にその席に座って行きました。


「これは、もしかしなくてもこの席に座れって事なのかな?」

「えーっと、もしかしなくてもそうかと思います……」


 スー達も僕の近くにやってきたけど、この目立ちそうな席を見てどうしようかと迷っていました。

 そこにトリアさんが一言。


「シュン様も、辺境伯家の席にお並び下さいと言われております。どうぞ、お座り下さい」

「マジかよ……」


 トリアさんも、当たり前って感じで僕に話しかけてきました。

 僕達はちょっとがっくりしながら、辺境伯家の後ろの席に座りました。


「シュンお兄ちゃん、この後何があるの?」

「司祭様が、神様に今年も沢山収穫できましたって報告と感謝を言うんだよ」

「「「「そーなんだ!」」」」

「うふふ」


 何故か、シロ達だけでなくケントちゃんも僕の説明を聞いていました。

 それを見たエミリア様も、楽しそうに微笑んでいました。

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