散歩の三百三十八話 収穫祭当日朝の準備開始
そして、いよいよ収穫祭当日になりました。
「では、先に行ってきます」
「気をつけてね」
「いってらーしゃーい!」
僕達は準備を整えて、エミリア様と朝から元気いっぱいのケントちゃんに見送られながら一足先に辺境伯家を出発しました。
辺境伯家の皆様は昨日の後処理もあるので、後から合流予定です。
どうも昨夜のうちに色々手を打っているらしく、あまりやる事はないと言っていました。
トリアさんは僕達を手伝うという事で、一緒についてきました。
とことことこ。
「おー、人がいっぱい集まっているね」
「ワイワイしているね」
「とっても楽しそう」
広場には既に多くの街の人が来てきて、収穫祭の準備を始めていました。
さてと、先ずは僕とアオのアイテムボックスに仕舞ってある道具や荷物を出さないと。
「よっと」
「「「おおー!」」」
僕とアオが荷物を出すと、途端に大きな歓声が上がりました。
一気に多くの物が出てくるのが、街の人にとって凄いらしいですね。
さて、これを一気に組み立てないと。
「シロ、フラン、悪いけどアオと一緒に組み立てを手伝ってくれないか?」
「シロにお任せだよ!」
「フランも頑張るよ!」
力仕事が大得意のシロとフランが、アオと一緒に街の人と広場の準備を始めました。
「ホルンは、スー達を手伝ってね」
「はーい」
逆に細かい作業が得意なホルンは、スー達の結婚式の準備を手伝います。
結婚式自体は明日だけど、今日は実際の参加者と手順を確認したり衣装合わせをするそうです。
「よし、女神像も設置完了だ」
「よっしゃー、祭壇を持ってきて御供え物を運ぶぞ」
「「「おー!」」」
女神像の設置も終わり、街の人が祭壇を持ってきてどんどんと収穫物を具えて行きます。
それと共に、椅子もどんどんと設置されていきました。
「これも運ぶよー」
「次はこれだね」
「ははは、お嬢ちゃん達は力持ちだな」
「本当だな、働き者だ」
シロとフランは動くのが大好きだから、椅子を並べたりするのも積極的です。
ふたりとも元気が良いし、見守る街の人も思わずニンマリです。
「次は、辺境伯様の席を作りましょう。あんな事があったのですから、警備も厳重にしないといけませんね」
「そうですね。今日は、守備兵だけでなく辺境伯軍も多数動員しますので」
「それに二つ名を持っている冒険者が複数いるとなると、我々の安心度も違ってきますな」
そして、僕はというと現場責任者の職員と兵と共に、何故か現場指揮をしていました。
「トリアさん、何で僕が現場指揮をしているのでしょうか?」
「えっ? ここにいる誰もが、シュン様が現場指揮をして当然だと思っておりますわ」
トリアさんも他の人も、こんな感じで僕が現場指揮をするのが当然だと思っています。
二つ名を持っている事も大きな影響だそうですが、僕の二つ名はどう考えても冒険者っぽい二つ名じゃないんだけどなあ。
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