散歩の三百二十八話 闇組織と人神教の次の狙いは?

 朝食を食べたら、作業分担を決めて動き出します。


「じゃー、行ってくるねー」

「気をつけてな」


 アオを頭に乗せたシロが、フランとホルンにスー達と広場に向かいます。

 今回はアオが作る女神像が目玉だけど、アオは一日あれば木像を作れるので予備の木があればあっという間に出来ます。

 後はとにかく力仕事が多いので、ここはシロ達が活躍するでしょう。

 そして、結婚式の事はスー達も深く関わっているので、関係者と対応も出来るでしょう。


「よし、では会議を始めるぞ」

「はい……」


 そして、僕は何故か先代様と辺境伯樣とエミリア様と、カスアク伯爵家と人神教への対策会議に参加する事に。

 何故僕が会議に参加するのかと疑問に思いながら、トボトボと執務室に移動します。

 因みに、ケントちゃんはマリアさんとアリアさんと一緒に遊んで貰っています。


「さて、シュンは各地の辺境伯領で闇組織と相まみえたが、このまま奴らが素直に引き下がると思うか?」

「絶対に引き下がらないと思います。収穫祭の直前か、最中に何かをしてくると予想します」

「うむ、儂と同じ予想だな。だからこそ、こうしてシュンにこの場に残って貰ったのだよ」


 先代様がニヤリとしたけど、僕を残した理由は今までの闇組織との戦いの経験を聞くためだったんだね。

 確かにそういう意味だったら、僕でもある程度はアドバイス出来ます。


「今までの傾向ですと、大物が一番最後に出てきました。あと僕の感覚で言いますと、段々と手強い相手になってきている感じがします」

「その感覚は正しいだろう。なにせ、シュン達は闇組織にとって指名手配犯と同じなのだ。単純な攻撃力なら、シュン達を抑えるのは難しい。そこに妻の指導も入った。更にレベルが上がっているだろう」


 辺境伯様の言う通り、エミリア様に指導を受けてから体の使い方が良くなった気がします。

 そのおかげなのか、戦闘中も少し余裕を持って望めています。


「収穫祭は、辺境伯領にとって一大イベントよ。闇組織は、収穫祭をぶち壊しにする事で自分達の存在をアピールするつもりだわ。そして、無用な争いを起こして、この国を混乱させるつもりでしょう」

「何れにせよ、奴らの企みを阻止しないといけないですね。迎え撃つ形になるのが、少々苦しいですが……」


 とはいえ、収穫祭はあと二日後です。

 闇組織に対して、どうやって対策を取るかがポイントですね。


「収穫祭で一番盛り上がるのは、結婚式に関連したイベントよ。ステージ上も女性が多いので、奴らにとってはうってつけの場面ね」

「女神像も破壊するつもりだろう。人神教にとっては邪魔な物だからな」

「となると、ある意味スー達の動きが鍵になりますね」


 結婚式関連のイベントは、本番もスー達は色々と出番がある。

 アオもサポートに付くだろうけど、僕もどれだけ近くに居られるかですね。


「シュンは広場の近くにいるから大丈夫よ。屋台で調理してもらうからね」

「うう、北の辺境伯領と同じ流れになっていますよ……」


 結局は、僕が屋台から全体を見回して、何かあったら駆けつける対応になりそうですね。

 後は、闇組織がどんな対応をとるかがポイントですね。

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