散歩の三百十七話 昼食と久々の冒険者らしい活動
ジュージュー。
お好み焼きもどきも、良い感じに焼けてきました。
ソースは焼きそばソースだけど、とても良い匂いがしています。
マヨネーズがあれば完璧だけど、この世界では卵は高そうだもんなあ。
「お兄ちゃん、焼きそばまだ?」
「良い匂いがするよ!」
「食べたいな」
「ちょっと待ってて、いま切り分けるから」
早速、匂いに釣られてシロ達が顔を見せてきました。
折角なので、アオが作ったうつわにお好み焼きもどきを盛り付けました。
「熱いから気をつけてな」
「「「はふはふ、おいしー!」」」
シロ達は満面の笑みを浮かべながら、お好み焼きもどきを堪能しています。
その横で、スー達もちゃっかりとお好み焼きもどきを堪能していました。
子どもも笑顔になる料理となると、大人も黙ってはいません。
僕が焼いた物を、次々と受け取っていきました。
「おお、こりゃうめー。ふわふわの生地の中に、沢山の野菜や肉が入っているぞ」
「くそ、これが仕事終わりならエールを片手につまんでいたぞ」
「肉もうめーなー。この料理だけで、働いた元手は取れそうだぞ」
前世の西の方の人達は、お好み焼きをつまみにお酒を飲んでいたらしい。
王国でも、西の方の人達も同じ感覚なのかな?
とにかく、お肉も含めて大好評で良かったです。
「シュン、この粉物も売り物に加えよう」
「メインになるものですわね。仕込みも難しくなさそうですわ」
「おいちー!」
先代様とエミリア様に加えて、ケントちゃんにもお好み焼きもどきは好評です。
まあ、調理は簡単だし、メニューに加えるのは大丈夫でしょう。
こうして、昼食を無事に終える事ができました。
「午後はアオを手伝おうと思っているけど、大丈夫ですか?」
「はい、お手伝いいたします」
食後の後片付けも終わったので、僕はアオの手伝いをする事にしました。
結婚式の準備組は女性陣だけでキャッキャしているので、僕にはとても近づけない雰囲気です。
トリアさんを巻き込んでしまったけど、ここはスー達から回避しておこう。
「ここを削れば良いんだな?」
「では、私は削りかすを掃除します」
僕はアオの指示で台座になる所を風魔法を使って削り始め、トリアさんは僕やアオの削ったかすを纏めたり掃除をしたりしています。
うん、久々にキチンと冒険者活動している気がして、何だかやりがいがあるぞ。
決して料理が嫌いって訳じゃないけど、東の辺境伯領でも北の辺境伯領でも料理ばっかりだったからなあ。
すると、こちらに教会に行った猫獣人につれてこられた三人組が近づいてきました。
男性一人と女性二人で、教会の服を着ているからこの人達が教会の関係者で間違いないですね。
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