散歩の二百八十七話 無事に街道が復旧です
午後は、予定通りにちょっとした事を試してみる事にしました。
先ずは土砂をざくざくと一メートル四方で区切る様に、周りを掘っていきます。
「シュンお兄ちゃん、何やっているの?」
「もっと効率よく土砂をアイテムボックスに入れられないかって思っているんだよ」
シロが不思議そうに僕の行動を見ているけど、土砂を区切ればアイテムボックスに入るんじゃないかなと思いました。
果たして結果はというと……
しゅ。
「あ、シュンお兄ちゃんのアイテムボックスに入ったよ!」
「実験成功だな。これで、全ての土をかき出さなくて済むぞ」
アオのアイテムボックスにも区切った土砂が入るか試してみたけど、僕と同じく上手く行きました。
後は、僕とアオが頑張って土砂を指定の場所に捨てればオッケーです。
「お、だったら俺達もその方法なら楽だな」
「よっしゃ、どんどんとやっていくぜ」
宿場町の人も一気にやる気になり、飛躍的に土砂崩れの復旧作業が進んで行きました。
最初の人工ブルドーザー作戦でも三日もあれば土砂は取り除けたと思うけど、こういうのはできるだけ早めに処理した方が良い。
シロ達もどんどん土砂を区切っていき、僕とアオでどんどんと土砂を捨てていきます。
「ふう、こんなもんかな?」
「そうですね、何とか夕方前に終わりましたね」
「「「終わったー!」」」
こうして、夕方前には全ての土砂の撤去が完了しました。
こういう仕事は初めてだったけど、終わると達成感がありますね。
後は、通りやすい様にほうきで掃いて行きます。
「いやあ、流石あんちゃん達は凄腕の冒険者だな。こうも、短時間で土砂の撤去が終わるとはな」
「美味しいご飯を作ったから、皆で食べてね」
「「「やったー!」」」
宿場町の人達が、僕達の為に美味しい夕食を作ってくれました。
一緒に復旧活動をした人と、皆でワイワイと夕食を食べます。
皆で僕達の作業の事を褒めて貰いつつ、お互いによくやったねと言っていました。
どうも昨日の雨はこの周辺でも珍しい大雨だったらしく、土砂崩れも過去発生した事が無かったそうです。
本当にたまたまだったらしいし、そう思うと僕達がこの宿場町にいたのもたまたまだもんね。
夕食後は、風呂がある旅館でお風呂に入ってさっぱりしてから元の宿に戻りました。
「今日は自分のベッドで寝てね。もう雷は大丈夫だから」
僕は皆に少し笑いながら言ったけど、全員が土砂の撤去で疲れていたのであっという間に眠ってしまいました。
無事に街道も復旧したし、旅も再開ですね。
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