散歩の二百三十八話 犯罪組織の活動状況
翌朝、訓練をしていた僕達に辺境伯様が話しかけてきた。
昨日僕達を襲撃してきた、ならず者の件です。
「シュン。昨日のならず者の件だが、どうも人によって違っていた。シュンの様に何人かは襲撃だったが、他の者は犯罪組織への勧誘だった」
「犯罪組織に入らないと確定している者は襲って、入る可能性がある人へは勧誘していたという事の様ですね」
「嘆かわしい事だが、その通りだ。しかも、荒くれ者を雇う為に、冒険者にも声をかけていた様だ」
「あっ、だから僕達を襲った奴は簡単な仕事って言ったんだ」
辺境伯様の話だと、犯罪組織が大々的に動いている事にもなる。
既に犯罪組織が大会出場者をリクルートしているのも分かっているし、冒険者にまで手をのばしてきた。
結構頭の痛い事態だぞ。
「犯罪組織が冒険者に手を出している件は、王城に連絡して他の領地にも周知して貰った。王都でも巡回を強化するそうだぞ」
「その方が良いですね。出来る限りの手をうって、奴らの目的をはっきりとさせないと」
いずれにせよ、武道大会を中止にすると犯罪組織に屈した事にもなりかねない。
僕達も、屋台をしながら注意をしないといけない。
兵の巡回も強化してくれるそうなので、何とか犯罪組織の思惑を潰さないといけない。
ここで、スーも話に参加してきた。
「もしかしたら、救護テントでナンパを仕掛けているのも犯罪組織に関わりがあるのがいるのかも知れませんね」
「というか、昨日ホルンによって吹き飛ばされたのは犯罪組織の構成員だった。美人がいたから、任務時間前の時間潰しをしていた様だぞ」
「救護テントにも兵を配置した方が良さそうですね」
できる限りの防衛策をたてて、武道大会を安全に行わないといけないなあ。
でも、観客を制限する訳にも行かないし、悩みどころです。
念の為という事で、侍従も武器の携帯が許可されたそうです。
「馬鹿の話は俺らも聞いたぞ」
「実際に近くでも立て篭もりが発生したもんな」
「武道大会を汚す馬鹿には、俺らも制裁を加えないとならんな」
屋敷を出て仕込みをしていると、街の人も僕達に話しかけてきた。
街の人も楽しみにしている武道大会を汚されて、頭にきているそうです。
怪しい人を見つけたら、逐一兵に報告するそうです。
「この屋台に手を出す馬鹿はいないと思うけどな」
「そうだな。なんせ、あのスーパースライムもいるし、あんちゃん達も強いみたいだからな」
「そう考えると、この屋台周辺が一番安全だな。ガハハ」
既に朝から出来上がった様な口ぶりで話しているけど、戦力を考えたら確かにこの屋台にはかなりの強者が集まっています。
実際に血で血を洗う事態にならない事を祈るばかりです。
「お兄ちゃん、そろそろ時間だから行ってくるね」
「屋台頑張ってね」
「アオもシロもフランも、三人とも気をつけて行ってこいよ」
「「はーい」」
と、ここで第一試合に出るアオが、シロとフランと共に屋台から出発した。
色々あるけど、先ずはアオには明日の準決勝に進んでもらわないと。
「おにぎり十個入りました」
「フルーツサンドイッチ五個です」
「はいはい、ちょっと待って下さい」
その前に、僕は目の前のお客との戦いをクリアしないとな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます