散歩の二百十六話 武道大会予選の受付開始
予選一日目の朝、僕達は少し早起きして会場に向かう予定です。
辺境伯夫人様とフィーナさんとフィーナさんのお兄さんは、僕達の後から現地に向かいます。
この後、辺境伯家らしい服装に着替えるそうです。
という事で、辺境伯様に挨拶してから出かけることに。
辺境伯様は、フィーナさんのお義姉さんとアーサーちゃんの所にいるそうです。
アーサーちゃんは初孫だから、可愛くて仕方ないんだろうね。
でも、アーサーちゃんが寝ている可能性もあるので、キチンとノックしてから部屋に入ります。
コンコン。
「どうぞ」
お、フィーナさんのお姉さんの声がしたから大丈夫だろう。
そう思って、僕達は部屋のドアを開けました。
ガチャ。
「うんうん、アーちゃんは可愛いなぁ。べろべろばー」
「「「「「……」」」」」
ガチャ。
うん、凄い光景を見てしまった。
いつもキリリとしている辺境伯様が、物凄い変顔でアーサーちゃんにべろべろばーをしていた。
僕と一緒に部屋に入ろうとしたシロ達も、べろべろばーをしている辺境伯様を見て固まってしまったぞ。
これは、辺境伯様を邪魔したら駄目だろう。
僕は静かにドアを閉じで、侍従に言伝をして屋敷を出ていきました。
「辺境伯様もじじ馬鹿になるんだな」
「シュンさん、そんな事を言っては駄目ですよ。確かにとても可愛らしいでしたが」
スーと武道大会会場の広場に向かいながら話をするけど、あそこまで辺境伯様が孫が可愛くて仕方無いと思わなかった。
あの感じだと、辺境伯様はアーサーちゃんに色々な物を買ってあげちゃいそうです。
そこは辺境伯夫人様が止めてくれるか。
「うーんと、こうだよ」
「こうだったよ」
「こうだよ」
そしてシロ達よ。
アオも混ざって、辺境伯様がどういう顔でべろべろばーをしたかを再現しないの。
スーも笑いを必死で笑いをこらえているよ。
そんな事をしながら、僕達は武道大会会場の広場に到着します。
「わあ、人がいっぱいだよ」
「花見まつりみたい」
「色々な物が売っているね」
「ほらほら、迷子にならないように手を繋ごうね」
「「「はーい」」」
昨日はまだ人が少なかったけど、今日はまだ朝早いのに観光客も含めて多くの人が街に繰り出しています
屋台はまだ半分しか開いていないけど、沢山の客が屋台を訪れていました。
そんな中、僕達はエントリーブースに向かいます。
「「「おはよーございます」」」
「はい、おはようございます。アオさんの受付を行いますね」
「「「お願いします!」」」
朝早くから受付が始まっていて、シロ達も早速受付を済ませます。
受付をしているのは、冒険者や兵士に一般の人もいます。
中には貴族っぽい人もいるけど、何だか怪しい雰囲気な上にシロ達も怪訝な表情をしているのでちょっと様子見しよう。
「はい、受付が終わりました。十二時から試合が始まりますので、試合開始十分前には会場に来てくださいね」
「「「はーい!」」」
という事で、受付完了です。
僕達は、救護テントと屋台に分かれて作業を始めます。
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