転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

千十一話 クラス発表の日

　遂に、入園試験結果を伴うクラス分けの発表の日がやってきました。

　僕たちも一応キチンとした服を着ているけど、エレノアはこの前みたいな王女様みたいな服を着なくて良いのでホッとしていました。

　スラちゃんとプリンも、いつも通りついてきます。

　さっそく、ゲートを王城から学園に繋いで、発表が行われる体育館前に集まりました。

　大きな掲示板が用意されていて、そこにクラス分けが張り出されています。

　でも、まだ発表時間前なので、別の紙で隠されています。

「何クラスになるかな？　どんな人がいるかな？」

「アレクお兄ちゃんとリズちゃんと同じクラスになれるかな？」

　リズとエレノアがドキドキワクワクしながら話していたけど、普通に考えれば二人はAクラスだと思うよ。

　サンディや他の面々もドキドキしていたけど、出来は良かったはずです。

　そんな僕たちを遠くから見ている人がいるけど、きっと市民の人ですね。

　そして、あの問題児のぽっちゃり君は姿を現していません。

　まあ全員に結果通知が行くから、学園に来なくても大丈夫なんだよね。

　地方から受験に来た貴族もいるけど、王都に滞在していたり地元に帰ったりと対応はまちまちだそうです。

　そんな中、先生がやってきて僕たちに話しかけました。

「皆さん、おはようございます。これから試験結果を発表します。自分の名前を確認したら、こちらに来て名前の報告をしてください」

　この場に来た人を確認するみたいだけど、入園手続き資料は全部発送です。

　僕とリズは、ティナおばあさまが保護者なのでエレノアの分と一緒に王城に届きます。

　それでは、合格者の発表です。

　何人かの先生が、手分けして隠していた紙を外しました。

「わあ、あった！」

「僕はBクラスだ！」

　そこら中で、様々な反応が見られました。

　喜ぶ子もいれば、悔しがる子もいますね。

　そんな中、僕たちの名前も直ぐに見つけられました。

「あったよ、リズはAクラスだよ！」

「エレノアもAクラスなの！」

　無事に、僕たち全員Aクラスになりました。

　ブライトさんたちも、思わずホッとしています。

　今まで頑張って勉強した甲斐がありましたね。

　因みに、入園試験免除の僕が首席で、次席は実技試験計測不能だったリズ、その次がエレノアでした。

　サンディは実技試験ではエレノアに敵わないので、四席になったのはその分でしょう。

　いずれにせよ、みんな良い結果になったのでニコニコが止まりません。

「ほら、他の人が見れないから先生のところに行くよ」

「「「はーい」」」

　名前の確認も終わったので、僕たちは先生の方へ向かいました。

　無事に先生に報告して帰ろうとしたら、何故か僕たちに突っかかってくる女性が現れました。

「ロンカーク伯爵、いえサンディさん」

「はっ、はい？」

「あなたね、第四席を取ったものは」

　腰に手を当ててビシッとサンディに指を突き刺している、背の高い気の強そうな女性がいました。

　オレンジ色のウェーブのかかったセミロングヘアで、勝ち気な瞳でサンディを見ていました。

　突然の展開に、僕たちも何が起きているのかわけがわかりません。

「私は、サザビーズ侯爵家のレシステンシアですわ。あなたの次の第五席です。あなたの境遇は知っておりますが、まさか成績で負けるとは思っておりませんでした。次の試験では、あなたの上に立って見せますわ」

「えっ……」

「「わあ、ライバル宣言だ！」」

　なんと、レシステンシアさんはサンディのことを知った上で勝負を申し込んできました。

　サンディは思わず固まっちゃったけど、リズとエレノアだけでなく他の面々もこの展開に興奮していました。

　アイビー様とは、また違った感じの人ですね。

　リズとエレノアは、ちょっと興奮しながらレシステンシアさんに詰め寄っていました。

「ねーねー、リズともライバルになってくれる？」

「エレノアもライバル？」

「お、お二人とアレクサンダー様はちょっとレベルが違うと言いますか……」

「えー、おかしいのはお兄ちゃんだよ！」

「そうそう、アレクお兄ちゃんなの！」

　どちらかというと、レシステンシアさんはリズとエレノアの立場も考えているみたいです。

　リズとエレノアは、なおも諦めずにずずずとレシステンシアさんに詰め寄っていたけど、二人とも僕の扱いが酷すぎます。

「ほらほら、二人ともレシステンシアさんが困っているよ。それに、サンディもリズとエレノアだけでなく負けられない存在が新たにできたね。悪い人ではなさそうだし、競い合うのも良いことだと思うよ」

「うん、アレク様の言う通りです。どこまでできるか分からないけど、頑張ってみます」

「ふふ、その意気ですわ。わたくしも負けませんわよ」

「リズも負けないよ！」

「エレノアもなの！」

　サンディとレシステンシアさんがお互いに握手をしていたけど、これは中々面白い展開になりそうです。

　リズとエレノアも加わって、いいライバル関係になるかもしれませんね。