千十話 クラス分けの状況
プリンまみれになりかけた安息日の翌日、僕はお仕事で学園に向かっていました。
クラス分けの資料ができたそうですを
「あの、僕も新入生なんですけど、この資料を見ても良いんですか？」
「学園担当の副宰相であるアレク様の確認も必要ですので」
先生もこう言っているけど、一応まだ個人情報は伏せているということです。
今年は全部で五クラスあって、実質上位四クラスと下位の一クラスに分かれています。
「上位四クラスについては、全員とても良い成績です。ですので、学年が上がる際にクラス替えが発生する可能性もあります」
「確かに、真面目に試験をしている人が多かったですね」
「まさにその通りになります。学園側としても、優秀な学園生を多数輩出できるのではと考えております」
どうも僕とリズという有名な二つ名持ちがいるのと王族であるエレノアがいるので、頑張ればお近づきになれるかもと真面目に考えている人が多かったみたいです。
そういう人は僕も歓迎だし、リズたちも直ぐに仲良くなるかもしれません。
ライバル意識を持たれても、普通の人ならリズは受けて立つだろうな。
「そして、もう一つのクラスは先日お話した通り特別カリキュラムが適用されます。一応普通の授業も行いますが、補習などを多めに行います」
問題児クラスは、本当に真面目に頑張らないと上位四クラスに入ることは不可能だそうです。
それほどまでに、明らかな学力差が出ています。
そして、問題児クラスは力の差が激しいので、基本的に上位四クラスと合同授業は行わないそうです。
「未だに、貴族の立場を鼻にかけている受験生がいたことに驚きました」
「こればかりは致し方ないかと。どうしても一定レベルは、成績の悪いものが現れます。補講などの救済措置は取りますが、後は本人のやる気次第ですので」
学力向上の場を設けているので、学園としてもこれ以上特別なことはしないそうです。
貴族が相手でも、そこは変わりありません。
ということで、後は成績順とかを考慮してクラス分けを決めます。
殆ど決まっているので、微調整程度らしいです。
後は、先生にお任せです。
ということで、僕は学園から宰相執務室にゲートで戻りました。
「戻りました」
「「「おかえりなさい」」」
執務室に戻ると、宰相は会議中なのか不在でした。
そして、ニコニコしているリズたちが僕を待っていました。
「お兄ちゃん、クラス分けどうだった？」
「まだ、僕も詳細は教えて貰っていないよ。でも、みんな頑張っているってよ」
「そーなんだ、どんな人がいるか楽しみだよ！」
リズもアッサリと流していたけど、深く聞かないところを見るに、クラス分けを見るのは当日のお楽しみって感じなのでしょう。
まあ、リズやエレノアならどんな人でもお友達になりそうですね。
そして、リズにさっき思ったことを質問してみた。
「リズ、もし成績や剣技とかでライバル視してきた人がいたらどうする？」
「もちろん受けて立つよ！ それで、競い合って友達になるんだ！」
やっぱりというか、リズならそういうと思った。
何気にスラちゃんも同じことを思っていたみたいだけど、官僚試験に合格していてもあくまでもスラちゃんは受験生じゃないからね。
「うーん、アレク様が首席なのは間違いないけど、流石に新入生代表挨拶はエレノア殿下になると思います」
「えっ！」
そんな僕たちのことを見ていたローリーさんが、苦笑しながらあることを話してくれました。
僕もそのことは思っていて、確か王族が入園する時は代表挨拶するはずだった。
ルーカスお兄様とルーシーお姉様も、新入生の代表挨拶をしていたはず。
すると、エレノアの表情が一気に真っ青になった。
「無理無理！ エレノアは挨拶できないの。アレクお兄ちゃんに挨拶して欲しいの！」
エレノアは思いっきり拒否しているけど、こればっかりは避けられない気がするよ。
ともあれ、その点もクラス分けを行う時に発表されるはずです。
大穴でリズってこともあり得るけど、いずれにせよ僕はないかなって思っています。
もちろん、僕が決めることじゃないけどね。
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