第九百七十話 未来のお嫁さん?

 連絡があって連れて来たのは、辺境伯家の人々だった。

 双子ちゃんは既にミカエルたちと一緒に来ているけど、改めて挨拶ってことですね。


「可愛らしい赤ちゃんですね。それに、とても元気そうです」

「あかちゃー!」


 ソフィアさんと抱っこされているシェファードちゃんが、すやすやと寝ている赤ちゃんをみていました、

 ソフィアさんはもう三児の母親だから、もう赤ちゃんを見ただけでも何となく分かりそうですね。

 ルルーさんとクラヴィーアさんは暫くの間辺境伯家に滞在していたので、お祝いをするのは当然だとソフィアさんが言っていました。

 そして、シェファードちゃんはエリちゃんのところにいって仲良く遊び始めました。

 ネコちゃんも、シェファードちゃんを大歓迎です。

 更に、この人も赤ちゃんを見に来ました。


「ふふ、元気の良い赤ちゃんですわね。この子は、どちらかというと大人しかったですから」

「おおー」


 マロード男爵領から、セシルさんとライアンちゃんも赤ちゃんの様子を見に来ました。

 ライアンちゃんもエリちゃんたちと生まれたタイミングが変わらないので、直ぐに仲良く遊び始めました。

 そこに、ちびっ子軍団も加わって色々とお話していますね。

 仲が良い事は良いことです。

 ソフィアさんと一緒にルシアさんもやってきたので、ブランターク男爵領で政務をしているククリさんと一緒に小さい子の面倒を見ていました。

 そんなちびっ子たちを見ながら、宰相の奥様が娘であるクラヴィーアさんにある事を提案しました。


「ねえクラヴィーア、一案だけど生まれた女の子が将来マロード男爵家に嫁ぐってのはありかしら?」

「うーん、そうですね。生まれたばかりですので何とも言えませんが、可能性はあるかと」

「「えっ?」」


 ここでビックリした声を上げたのは、セシルさんと宰相だった。

 セシルさんは文字通りビックリした声だったけど、宰相はこの世の終わりみたいな表情をしていた。

 生まれたばかりの孫が、いきなり嫁入りの話になっているのだから。

 そこに、王妃様とアリア様も話に加わった。


「まだ名前も決まっていない状況だし、あくまでも仮定の話ね。でも、男爵同士だし大貴族の血縁でもあるから問題ないと思うわよ」

「私もありかと思いますわ。でも、もう少し育ってからの話ね」


 この世界は赤ちゃんの死亡率が高いから、まずは元気に大きくなりましょうということですね。

 宰相の絶望的な表情は、まだ変わらなかったけど。

 そして、ランディさんは自分がいないところでこんな話が行われているとは思わないでしょうね。


「じゃあ、そろそろ私たちも帰るわよ」

「「「はーい!」」」


 赤ちゃんとお母さんに負担をかけては駄目なので、王妃様の合図で僕たちはブランターク男爵家から帰ることになりました。

 でも、子どもたちはもっと遊びたいみたいなので、辺境伯家に集まって一緒に遊ぶみたいです。

 そして、未だにショックを受けている宰相とまだ泣いているジンさんだけ、それぞれの屋敷に送っていきました。

 ちなみに、赤ちゃんはカイザーとローラと名付けられました。

 そして、嫁ぎ先とかの件は、もう少し大きくなってからもう一回話しましょうということで落ち着きました。

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