九百六十九話 遂にブランターク男爵家に赤ちゃんが
入園式も終わったある安息日、僕たちはちびっ子軍団とともに薬草採取をおこなっていました。
最近できていなかったので、みんなやる気満々ですね。
今日は、ルカちゃんエドちゃんとルーシーお姉様も参加しています。
「春になったから、いっぱい薬草があるね!」
「たくさん集めよう!」
リズたちもウキウキしながら薬草を集めているけど、辺境伯領の町建設現場で怪我人が常に出ているからポーションの需要が絶えません。
なので、たくさん採ってきていいとギルドからも言われています。
なので、ミカエルたちもとっても張り切っています。
「クモさん、いっぱいお花が咲いているね」
レイカちゃんは、マジカルクラウドのクモさんと一緒に木々に咲いている花を見ていました。
こういう所は、やっぱり女の子ですね。
こうして、今日もたくさんの薬草を集めて冒険者ギルドに着いた時でした。
僕の通信用魔導具に連絡が入りました。
「なになに? あっ、ルルーさんとクラヴィーアさんが無事に出産したって」
「えっ?」
「「「わーい」」」
タイミング的にはちょっと早いけど、無事に赤ちゃんが生まれてミカエルたちは飛び跳ねるように喜んでいました。
対して、やっぱりというかジンさんはちょっと呆然としていました。
そして、僕の肩をがしっと掴みました。
「アレク、直ぐに行くぞ! ルルーの様子を見に行くぞ!」
バコン!
「あたっ」
「いま行ったってしょうがないでしょうが。しかも、森に入って汚れているのよ。屋敷に戻って綺麗になってからよ」
おお、レイナさんがジンさんに思いっきりチョップをかましています。
でもレイナさんのいうことはもっともだし、僕たちも手続きを終えると急いで屋敷に戻りました。
あと、連絡していかないと怖いところに連絡しておこうと。
ジンさんではなくレイナさんとカミラさんにも確認を取ったら、絶対に連絡しないと駄目ってことでした。
その人たちも、王城経由で連れて行くことになりました。
「「あうあう」」
「「「かわいいー!」」」
ブランターク男爵家の屋敷に着くと、直ぐに赤ちゃんと面会しました。
ルルーさんの赤ちゃんが男の子で、クラヴィーアさんの赤ちゃんが女の子です。
とっても元気な赤ちゃんで、ミカエルたちももうニンマリが止まりません。
特にいとこの誕生で、レイカちゃんは大はしゃぎしていました。
「とても可愛らしい赤ちゃんね。これで、ブランターク男爵家も安泰だわ」
「間違いなく美形になるわね。家柄もバッチリだし、嫁に欲しいとたくさんの貴族家から言われそうね」
「あかちゃー!」
絶対に呼ばないと怒られる人その一の王妃様とアリア様も、エリちゃんを抱っこしながらもうニンマリが止まりません。
いつ赤ちゃんが生まれるか、とても楽しみにしていたもんね。
ちなみに、ルーカスお兄様とアイビー様も一緒に来ています。
「うふふ、可愛いわね。息子と娘の生まれた頃にそっくりですわね」
絶対に呼ばないと怒られる人その二の宰相夫人も、孫の誕生をとても喜んでいた。
特にクラヴィーアさんは婚約トラブルがあって結婚できるかと言われていたので、喜びもひとしおでしょう。
「うう、クラヴィーアに子どもが……」
「ううっ、ルルー、良かった……」
それで、肝心のクラヴィーアさんの父親の宰相とルルーさんの兄とジンさんは、まともに話せないほど号泣しています。
うん、あそこは暫く駄目だろうからそっとしておこう。
「ルルーさん、赤ちゃんの名前は決めたんですか?」
「まだこれからなのよ。旦那様とゆっくり決めますわ」
赤ちゃんが生まれたばかりってのもあってか、ランディさんがたくさん悩んで名前を考えているそうです。
ある意味、幸せな悩みですね。
そして、通信用魔導具に連絡が入りました。
どうも、追加で赤ちゃんを見に来る人がいるみたいですね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます