九百五十九話 遂に衛星都市建設計画にゴーサインが
そして、正式に王都衛星都市の建設計画にゴーサインが出された。
職員も、とてもワクワクしながら説明していた。
「新都市は一辺が二キロ四方の大きさで、子爵から伯爵クラスが治めるレベルになります。井戸を掘れば、地下水も出てきます」
「更に、一辺が一キロ四方の軍の施設も建設します。ここには、訓練場なども併設します」
計画を聞いた陛下達は、とても満足そうに頷いていました。
でも、普通であれば数年かかる大事業です。
それを、僕たちのフルパワーの魔法を使って開拓することになります。
「何かあった際に王都の防壁となるため、街道は新しい町を通過する形となります。もちろん、町を通らずに通過する道もできます」
「良質な石が採掘できますので、職人街も形成する予定です。また、周辺に原っぱも多いですので、冒険者も呼び寄せます」
「軍人や旅人相手の職業もできるだろう。周辺の村の農地拡大も、併せて行うように」
陛下からの指示を受け、職員も一礼していました。
食料事情も解決しないとならないので、この作業も春になる前にやらないと駄目ですね。
「軍も、駐留するものの選定にあたっております。王都の防壁にならないとなりませんので、訓練も厳しく行う予定です」
軍務卿も、任務重大だと感じていました。
反乱があってはならないけど、何かあった際の対応はしないとならない。
そして、この都市計画の進捗を見て、今後の都市計画を進めるそうです。
大きな都市なので、住宅建設も大変ですね。
なので、材木が採れる領地から木も買い付けるそうです。
「王都のスラム街のものを、優先的に外に出す予定です。徐々にスラム街を解体して、新たな住宅街にする予定です」
「ただ、こちらはかなり時間がかかる見込みです。それほど、王都にはたくさんのスラム街ができております」
「仕方なかろう、長年に渡り多くのものが地方から移り住んできているのだ。貴族屋敷の再編も行わないとならないが、そのうちルーカスとアレクにやらせるとしよう」
あの、陛下、いまサラリと僕とルーカスお兄様にとんでもない仕事を押し付けましたね。
たまたま学園が休みで会議に出ていたルーカスお兄様も、思わず聞いてないよという表情に変わりました。
もちろん、僕だってそんな話は全く聞いていません。
しかし、宰相をチラリと見たら、急いで視線をずらしていました。
これは、陛下と閣僚のトップ会談で決まった話ですね。
とはいえ、予定では僕たちが学園を卒園してからの予定になるそうです。
「軍務卿、出張の軍の部隊は何時ごろ出せそうか?」
「はっ、明日の朝には可能です」
「ふむ、なら測量部隊を兼ねて警備部隊を出させよう。設計図通りにはいかないこともあるだろう」
「はっ」
ということで、明日の朝から作業を始めることになりました。
スラちゃんも、何も問題ないと言っています。
またもや大魔法を使うことになるけど、今回は自重しなくて良いので本気を出せそうです。
この後は、担当者ごとに分かれて打ち合わせを行なうことになりました。
とはいえ王都から直ぐの距離なので、基本は王都からの通いになります。
僕も、ルーカスお兄様とともに宰相執務室に戻ります。
「と言うことで、明日は朝から新しい都市計画現場に行って作業をすることになったよ」
「「「頑張るぞ!」」」
リズたちに説明すると、リズたちもやる気のある声を上げていた。
辺境伯領で町を作った経験があるので、どんなことをするかというのは分かっていた。
「私も、午前中のテストが終われば午後から参加するよ。他の面々にも声をかける予定だ」
ルーカスお兄様も来ると言っているけど、午後からだとかなりの作業が終わっちゃいそうです。
いずれにせよ、明日は思いっきり頑張らないと。
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