九百五十八話 春先ののんびりとした日
だんだん春めいてきて、そろそろ学園も卒園式と入園式が近づいてきました。
とはいっても今年は特別なことが殆どないので、僕たちは普通にお仕事をこなしています。
まだ衛星都市建設計画が上がってこないので、そちらも待ちの状況です。
春先にはルルーさんとクラヴィーアさんの出産も控えているけど、入園式が終わった辺りだと言われているので、こちらも暫く待ちです。
ちなみに、既に僕たちは出産祝いを準備しています。
いつもオムツとかタオルとかベビー服なんだけど、レイカちゃんが張り切って選んでいたのが印象的でした。
「レイカちゃんは、とても可愛いじゃないか、産まれてくるいとこのために一生懸命プレゼントを考えているなんて」
「うむ、そうだな。思わず、おじいちゃんがお小遣いをあげようかと思ったぞ」
「そこは、自分で稼いだお金でプレゼントしたいのだよ。余計なことをするんじゃないよ」
宰相はすっかり孫が可愛いおじいちゃんモードになっているけど、そこはシーラさんがキチンとしめています。
そのレイカちゃんたちは、王城に来ていてお勉強をしていた。
今年五歳になるので、本格的に勉強を開始しています。
とはいえ、レイカちゃんをはじめとする面々は地頭が良いので、直ぐに色々なことを覚えていっています。
「しかし、こんなに仕事が少なくて良いんですか? 何だか物足りないというか……」
「アレク君、副宰相とはいえ今年十一歳になるのだよ。職員だけでも十分に回るし、今まで張り切り過ぎなんだよ」
「その代わりに、人と接することを増やしましょう。式典にも出てもいわね」
宰相とともに、執務室に来ていたティナおばあさまも問題ないと言っていました。
優秀な職員が増えて、仕事もスムーズに回っています。
万が一誰かが休んでも、全く問題ありません。
ということで、今年は副宰相として式典とか視察に行くことが増える予定です。
その辺りの調整はローリーさんがしていて、明日は学園に行って成績優秀者の表彰式典に出ます。
学園とあと軍なら、顔見知りも多いしとても助かるんだよね。
「教科書の改訂も無事に終わりましたし、後は毎年改善していくだけですね」
「私も見たが、良い改善だと思うぞ。リズちゃんたちも積極的に意見を出していたし、帝国も参考にしたいと言っておる」
ずっと継続してやっていた教科書の改訂も何とか一区切りつき、宰相などのオッケーも出ています。
新学期から、採用されることになりました。
そのリズたちも、今日は王城で勉強しています。
ブライトさんたちも一緒だけど、辺境伯領に来た当初から比べると知識量も増えたと思います。
流石にリズたちに追いつくにはまだまだだけど、レイナさん曰く十分にAクラスは狙えるそうです。
シュッ。
「あっ、スラちゃんだ。えっ、リズたちが勉強のやり過ぎでオーバーヒートしている?」
「ははは、またやったか。あれで娘はやる時は厳しいからな」
どうも僕のところにやってきたスラちゃん曰く、レイナさんとカミラさんの問題集に全員ノックアウトされたそうです。
でも、これもいつものことですね。
スラちゃんは、問題集を解き終えて暇なので僕のところにやってきたそうです。
きっと、オーバーヒートしている面々も、美味しい昼食の時間になったら復活するはずですね。
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