九百五十四話 これも王都再編計画の一つ?

 町の建設も進めつつ、今日はあるお仕事を行います。

 それは、古くなって使えなくなった建物を六棟買い取って綺麗にすることです。

 四つは王都周辺に建設予定の衛星都市に置き、二つは僕とポッキーがそれぞれ所有します。

 なんと、スラちゃんはこの前のとは別にもう二棟家をアイテムボックスにしまっているそうです。

 なんというブルジョワジーでしょうか。

 とはいえ、辺境伯領では建物の建設ラッシュで不要なのはないので、王都に行って購入します。


「住宅街や街道の整備もあるから、競売物件にしても誰も購入せんのだよ」


 今日は内務卿とグロスターのおじいさま、カーセント公爵と一緒に王都の再開発エリアに来ているけど、立ち退きが決まっている物件にわざわざ住まないよね。

 不動産屋もついてきているけど既に僕がお金を払っているので、先ずは四つの物件をアイテムボックスにしまいます。

 中に誰もいないのは確認していて、家財も全部撤去済みです。


 シュッ、シュッ、シュッ、シュッ。


「「「お家が消えた!」」」

「おお、家が一瞬にしてきえてしまったぞ。アレク君のアイテムボックスには、どのくらいのものが入るのだろうか」


 グロスターのおじいさまだけでなく、他の人や護衛の近衛騎士も家が消えて思わずビックリしています。

 スラちゃんができたんだからと張り切ったけど、まだまだ僕のアイテムボックスは余裕ですね。


「うむ、この方法だといちいち取り壊ししなくても良さそうだな。壊すにしても、別の場所で行えば良い」

「問題は、これ程の大きさのものを収納できるアイテムボックス使いまたはマジックバッグ持ちがどれ程いるかですな。有効な手段ではありますが」


 カーセント公爵と内務卿が何やら話をしているけど、僕の作るマジックバッグはあくまでもその人の魔力量に依存するんだよね。

 ルーカスお兄様やルーシーお姉様、ミカエル辺りなら全然余裕でマジックバッグに空き家を収納できると思うよ。


 シュッ、シュッ。


「じゃあ、リズはこのお店で何かを売ろう!」

「エレノアは、このお店にする!」


 現に、リズとエレノアが付いてきた不動産屋さんに競売物件のお金を払って自分のマジックバッグに空き店舗をしまっていた。

 リズはパッチワークとかが得意だから、確かに臨時店舗とかはできそうです。

 更に、サンディにイヨ、メアリも不動産屋さんにお金を払って空き家を購入していた。

 全員自分専用のお家にすると、とっても意気込んでいます。

 お金は持っているのだから、好きに使って下さい。

 更に僕とポッキーが店舗兼住宅の空き家を購入して、これで必要な家は購入完了です。

 うん、だいぶ周辺がすっきりしたね。


「うむ、一気に街道拡張計画が進みそうだ。帰ったら計画の実施時期の見直しを行うように」

「はっ、畏まりました」


 内務卿が、満足そうに部下に指示を出していました。

 王都再編計画もあるので、中々大変です。

 内務卿は、この王都再編計画を進めたら退任する予定です。


「じゃあ、古いお家を直してスラム街の人に住んでもらうのはどうかな?」

「スラム街の人は住む家にも困っているから、建設作業でお金を貰うだけじゃ駄目なの」

「おお、リズちゃんもエレノア殿下も民を思って行動しているのだな。この話も、王都再編計画の一部として入れるか検討しよう」


 リズ達の考えも、とても良いと思う。

 冒険者や日雇いとして稼げないスラム街の人にとって、住むところは大きな課題です。

 土魔法を使った仮設住宅と併せて、その手も使えそうだ。

 副宰相兼冒険者としての仕事になりそうです。

 すると、振り返ると競売物件になっていた他の十棟が跡形もなく無くなっていた。

 僕たちがみんなで話をしている間に、スラちゃんが不動産屋に購入手続きを取っていたみたいだ。

 更に、プリンまで一棟購入していた。

 不動屋だけでなく内務卿までほくほく顔になったけど、お金は沢山あるとはいえ流石に購入しすぎな気もしますよ。

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