九百五十五話 購入した家を綺麗にします

 でも、家や店舗を購入したからといってそのまま使える訳ではありません。

 実際に、中は空っぽで何にもありません。

 それ以前に、掃除とかもしないと駄目ですね。

 そんな事を朝食時に屋敷で話をしていたら、侍従のお姉さんがある提案をしてきました。


「ちょうど新しい使用人も入ったので、研修の意味も兼ねて掃除をしましょう」

「そうね、アレク君はとんでもない魔法使いだと、知ってもらういい機会だわ」


 えーっと、庭で飛竜と野良猫が一緒に寝ている屋敷は普通じゃない気がするけどね。

 ジュリさんも賛成したので、さっそく屋敷の裏庭に僕が購入した家を一棟出すことにしました。

 ということで、朝食を食べ終わったらみんなで屋敷の裏庭に移動しました。


「じゃあ、アレク君、この辺りに出してくれるかしら」


 大体の家の大きさを伝えると、ジュリさんが場所を指定してくれました。

 では、先ずは王都衛星都市の代官邸で使う家を取り出します。


 シュッ、ドサッ。


「「「おお!」」」


 僕がアイテムボックスから家を取り出すと、新しい使用人だけでなくミカエル達もとっても盛り上がっていました。

 取り出して改めて見ると、結構汚れていますね。


「とはいえ、このくらいだったら修繕すればまだまだ住めるわよ。その辺りも、勉強の一環で手配しましょう」


 侍従のお姉さんもうんうんと頷いているけど、このくらいの家なら全然普通に住んでいるそうです。

 今回は立ち退き競売物件という、条件が悪すぎただけみたいですね。

 ではでは、最初に生活魔法である程度綺麗にしちゃいましょう。


 シュイン、ぴかー。


「「「す、凄い……」」」


 家全体が光り輝いて新人使用人は思わず驚いているけど、ある程度に抑えているので全然魔力を消費していないんだよね。

 もちろん侍従のお姉さんとジュリさんも、その辺は分かっています。

 それでも、外見はとっても綺麗になりましたね。


「適当に生活魔法で綺麗にしておきました。中はまだまだ掃除しないといけないです」

「そのくらいで良いわよ。アレク君が全力で魔法を使っちゃうと、屋敷全体がピカピカになるレベルだもんね」

「「「へっ?」」」


 侍従のお姉さんがちょっと苦笑しながら言ったことを、新人使用人は信じられないという表情で聞いていた。

 このくらいだったら、リズとスラちゃんでもできますよ。

 すると、お隣の屋敷からこちらの様子を見ている親子がいました。


「ふふ、楽しそうな声が聞こえたと思ったら、中々面白そうなことをしているわね」

「「「おー」」」


 辺境伯様の屋敷から、ソフィアさんと三人の子どもがこちらを覗き込んでいました。

 子どもたちは、突然現れた家を興味津々に見上げていました。

 そんなソフィアさんに、ジュリさんが何をするか説明しました。

 すると、ソフィアさんは何かを考える素振りをして僕にある事を提案しました。


「アレク君、うちの新しい使用人もそちらに向かわせていいかしら? 実は全くの素人もいるので、掃除のいろはを教えて貰うかなと思ったの。年末に大掃除したから、屋敷でやるにも日常の掃除くらいしかないのよ」


 そっか、お隣も同じタイミングで新しい使用人を雇用したんだっけ。

 ちなみに、ジンさんのところは使用人を増やしていないんだよね。

 全く問題ないし、侍従のおねえさんもジュリさんも数人増えたところで全く問題ないって言ってくれました。


「じゃあ、リズちゃんたちのお家は使用人の研修の進み具合をみてやりましょうね」

「「「「お願いします!」」」」


 リズ達が購入してマジックバッグに入れた家も、後で対応してくれる事になりました。

 ということで、この場は侍従のお姉さんとジュリさんにお任せして、僕とリズ達は王城に向かいました。

 そして王城に向かうと、殆ど同じ理由でエレノアの購入した家が王城の新人使用人の研修の場になっていました。

 考える事は、みんな一緒なんですね。

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