九百五十三話 今日は学園での話し合い
まだ王都周辺の衛星都市建設計画が立案中なので、先に他の事をします。
ということで、今日はローリーさんとともに学園に卒園式と入園式の調整をするためにやってきました。
でも、今年はとっても気楽です。
なんといっても、王族が行事に絡まないので警備が楽だということです。
ということで、例年通りということであっという間に打ち合わせは終わってしまいました。
「私も、今回は挨拶だけだからとても助かる。問題のある新入生はいないということだし、生徒会としても助かるよ」
「私もだよ。去年の春は大変だったけど、今年は気楽でいいなあ」
新四年生と新二年生になるルーカスお兄様とルーシーお姉様も同席しているけど、自分たちの入園式は本当に大変だったと遠い目をしていた。
ちなみに、予定通りルーカスお兄様が生徒会長になるそうです。
アイビー様もルーシーお姉様もルーカスお兄様を支えるので、きっと問題ない生徒会になりそうですね。
「来年は大変だ。私とアイビーが卒業したタイミングで、アレクたちが入園してくる。個性の強いものが何人も入ってくるから、果たしてルーシーがコントロールできるかどうか」
「はあ、そうなんだよね。弟くんたちが入ってくるんだよね。何とか、弟くんにリズちゃんたちを止めて貰わないと」
ルーカスお兄様とルーシーお姉様がため息をつきながら僕のことを見ているけど、僕もリズたちが本気で動いたら止められる自信はありません。
他のメンバーも巻き込んで、大変なことになりそうですね。
すると、ルーシーお姉様がとんでもないことを言い出した。
「そうだ、弟くんを生徒会長にしちゃえば良いんだ。そうすれば、万事解決だね」
「えっ!」
ルーシーお姉様、目を輝かせて言わないで下さい。
一年生から生徒会長なんて、できないですよ。
そして、ルーカスお兄様が冷静に妹にツッコミを入れていた。
「ルーシーよ、学則で生徒会長は最高学年からと決まっているぞ」
「がーん、私の華麗な計画が……」
「まあ、副会長なら良いだろう。その辺は問題ないだろうな」
思わず項垂れている妹の頭を、兄が苦笑しながら撫でていました。
なんだかんだいって、ルーカスお兄様とルーシーお姉様は仲いいよね。
昼食の時間になるので話を切り上げたけど、殆どが雑談で終わっちゃいました。
そして、昼食時にティナおばあさまから僕たちにあることが話されました。
「そうそう、アレク君は入園試験免除で代表挨拶も決まっているけど、みんなはキチンと試験を受けてもらうわ」
「「「ええー!」」」
一斉にリズたちが非難の声を上げたけど、普通は試験を受けるのが普通でしょう。
貴族や王族の子弟は試験に落ちることはないけど、それでも試験は受けないと駄目です。
というか、さりげなく入園式代表挨拶も決まったと言っているけど。
「アレク君は、既に官僚試験をパスしているのよ。流石に、入園試験を課すレベルではないわ。クラス決めもあるし、成績が悪いとアレク君と別のクラスになるわよ」
「「「それはやだ!」」」
リズたちよ、成績が悪ければ別のクラスになるのは必須だぞ。
ブライトさんたちも、日々一生懸命になって勉強しているのだから。
やればできるんだから、リズたちにも勉強を頑張って貰わないと。
食堂にいる大人の誰もが、僕と同じことを思っていた。
「じゃあ、ルカやエド、ミカエルたちも一緒に勉強しようね」
「「「ええー!」」」
更についでということで、アリア様からちびっ子軍団も勉強に巻き込まれていた。
聞いてないよとみんなぶーぶー言っているけど、抗議はスルーされるだろうね。
年始の忙しいのも落ち着いたし、タイミング的にちょうど良かったのかも。
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