九百二十四話 やっぱり新郎よりも新婦?
そろそろ教会に行く時間になったので、手分けして移動します。
屋敷から教会が近いこともあり、みんなで歩いて向かう事になりました。
参加者の中には王族を歩かせるなんてと思っている人もいたみたいだけど、何よりもルカちゃんとエドちゃんが先頭を切って楽しそうに歩いているので何も言えなかった。
「わあ、お家に飾りがいっぱいあるよ!」
「とっても綺麗だね」
ミカエル達は、町の様子を見て感動していた。
家々に飾り付けがしてあり、三人の結婚指揮を町中がお祝いしているのが感じ取れた。
様々な飾り付けを見ながら、僕たちは無事に教会に到着です。
「「「おおー、きれー!」」」
教会内も綺麗に飾り付けがしてあり、更に沢山の花も飾ってあります。
ミカエル達が思わず声をあげる程、教会も気合を入れて準備をしていますね。
ここで、人の波は二つに分かれます。
そのまま教会内に入る人と、新郎新婦の控室に向かう人たちです。
僕たちは、もちろん新郎新婦の控室に向かいます。
最初は、キースさんの控室です。
僕たちは、ちびっ子軍団とともに控室に向かいました。
因みに、リズたちは最初からエマさんとオリビアさんの控室に向かっています。
ガチャ。
「「「わあ、きれーい!」」」
「はは、ありがとうね」
控室にはキースさんと同級生がいて、白のタキシードに身を包んだキースさんがスタンバイしていた。
でも、この流れはどこかで見たような気がする。
「「「今度はおねーちゃんのところを見てくる!」」」
ガチャ。
「ははは、あっという間だったな」
「一瞬でいなくなったぞ」
「やっぱり、結婚式の華は新婦側だな」
うん、ジェイド様とソフィアさんの結婚式と同じ流れになってしまった。
この分だと、ちびっ子軍団はもうキースさんの控室には戻ってこないだろう。
「キース様、申し訳ありません」
「こればっかりは、しょうがないよ。それに、あの子たちにとって、エマさんとオリビアさんは育ての親って感じだもんね」
苦笑しながらキースさんは答えてくれたけど、確かにミカエルにとってエマさんとオリビアさんは赤ちゃんの頃から面倒をみてくれたお姉さんでもある。
でも、もう少し挨拶とかしないといけないから、時間があったら注意しないと。
「すみません、ミカエルたちを追いかけてきます」
「わざわざ挨拶してくれてありがとうね。この後も宜しくね」
僕は、キースさんに挨拶をしてから控室を出ました。
そして、隣にあるエマさんとオリビアさんの控室に向かいます。
ガチャ。
「「「おそいよー」」」
何だか、この展開もどこかで見た気がするなあ。
プンプンしているミカエルたちを見て、思わず苦笑してしまった。
そして僕も、大勢の女性に囲まれているエマさんとオリビアさんに近づいた。
「エマさん、オリビアさん、おめでとうございます」
「アレク君、ありがとうね」
「色々手配してくれてありがとうね」
エマさんとオリビアさんは、純白のウェディングドレスに身を包んでいます。
そして、テーブルの上には二つのブーケが置かれていました。
これは、双子ちゃんを中心としたちびっ子軍団が花を選んで、リズがブーケを作りました。
かなり綺麗にできていて、リズの腕の良さを物語っています。
「みんなも、この後頑張ってね」
「もう何回もやっているから、きっとベテランだね」
「「「がんばる!」」」
ちびっ子軍団は、フラワーボーイとフラワーガールをやることが決まっています。
これなら、一歳の三人も参加できるし何よりもミカエルたちもやる気満々です。
きっと、結婚式を盛り上げてくれるはずです。
「しかし、ローリーには負けるけど二人ともスタイル抜群だよね」
「なんというか、諦めがつくバランスの良さね」
「頭脳明晰で顔も良くてスタイル抜群で、神様はなんて不公平なんだろうか」
エマさんとオリビアさんのウェディングドレスを、同級生が羨ましく見ています。
確かにいつもは気にしなかったけど、エマさんとオリビアさんはとてもスタイルが良いよね。
面倒見も良いし、僕たちにとってもとても優しいお姉さんです。
「いつかは、リズもウェディングドレスを着るのかな?」
「リズちゃんの場合は、学園を卒業したら直ぐに結婚式だよ」
「そんなに遠くない未来に、ウェディングドレスを着ることになるわ」
他人のウェディングドレスを見ると羨ましくなる女性が増えるというが、まさにリズもその一人だった。
リズだけでなく、他の人も二人のウェディングドレス姿を羨ましそうに見ていた。
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