九百十八話 みんなでポーション作りをします
共和国との話し合いにはまだ時間があるので、久々にポーション作りのお手伝いをします。
平日ブライトさんたちがかなりの薬草を集めているので、ポーションもかなりの量を作っているという。
といっても、辺境伯領は住民も兵も多いので沢山あって全く問題ないそうです。
「よーし、やるわよ」
「腕がなるわね」
「お前らは、家でアンリの面倒でもみていろ!」
「「えー」」
もはや定番の夫婦漫才が繰り広げられているけど、僕としても破壊王のデスポーションが生み出されるのは勘弁です。
実際に、教皇国での尋問の際にとんでもないことになっているのだから。
代わりに、普段はアンリちゃんのお世話につきっきりのアレクサさんが参加します。
アレクサさんはポーションを作ったことがあるので、とても心強い戦力ですね。
では、さっそく治療研究所に向かいましょう。
「「「こんにちは!」」」
ちびっこ軍団が元気よく挨拶しています。
さっそく、ポーション製造の為の部屋に向かいます。
魔導コンロを使うとはいえちびっこにはお湯は危険なので、ジンさんとアレクサさんがガッチリと補助していきます。
僕たちも、初めてポーションを作るブライトさんたちに色々と教えていきます。
スラちゃんとプリンたちは、既に慣れた手つきでポーション作りを始めていますね。
僕たちも、さっそく作業を始めましょう。
「先ずは、薬草を綺麗に洗うんだよ」
「ゴミがあると、駄目なの」
「こ、こうかな?」
リズとエレノアがブライトさんたちに指導していたけど、やっているのは間違いではありません。
何回かに分けて洗うと、薬草もだいぶ綺麗になりました。
仕事も丁寧で、良い感じですね。
「ジャバジャバ」
「あー、おとーさん服が濡れちゃったよ」
「豪快に洗うからだろうが。あーあ、後で着替えないとな」
ちびっこ軍団は、なんというか水遊びみたいな感覚で薬草を洗っていました。
綺麗になっているのは間違いないんだけど、その代わりにびっちょり濡れちゃっています。
ある意味、子どもらしいですね。
次は、すり鉢で薬草を潰していきます。
ゴリゴリゴリ。
「やりすぎない程度にすり潰すんだよ」
「このくらいかな?」
「もう少しかな?」
四苦八苦しながらも、何とか薬草を潰していっていました。
この分なら、後は大丈夫ですね。
「ごりごーり」
「できたー!」
「残念ながら、もう少しだな」
ちびっこは身体能力強化を使わなければ、力は普通の子どもです。
ジンさんも手伝いながら、薬草を潰していきます。
後は、鍋に入れて魔石の欠片とともに煮詰めれば完成です。
ぐつぐつぐつ。
「何だか、水の色が変わってきたわ」
「もう少しで完成だよ」
アリサさんも、有効成分が抽出されていく様子に見入っていた。
ちびっ子軍団もぐつぐつと煮込み始めているけど、ここはアレクサさんが担当しています。
既にスラちゃんチームは一回目の抽出を終えて、ポーションを瓶詰めをしています。
従魔チームが、一番の成果を出していますね。
こうして、リズ達とちびっ子軍団は二回、スラちゃんたちは三回ポーション作りを終えました。
中々の本数を作り終えたので、全部ノエルさんに確認してもらい全部オッケーを貰いました。
なお、使い終わった薬草は生薬研究にまわすので、全部纏めて乾燥させます。
「じゃあ、この後はバーベキューを始めるよ」
「「「わーい!」」」
ポーション作りの報酬もあるけど、ちびっ子軍団の一番の楽しみは僕の屋敷の庭でのバーベキューです。
ノエルさんも一緒に移動して、庭に着いた時でした。
ジュー、ジュー。
「グルル」
「あっ、ありがとうね」
「今度はお肉が欲しいわ」
何と、ドラちゃんがお肉や野菜を焼いていました。
大の大人のレイナさんとカミラさんはただ食べているだけだけど、実はドラちゃんも破壊王のデス料理を知っているので自ら動いていました。
きっと、食材が悲惨な事になるのを防いだんでしょうね。
「「「お肉おいしー!」」」
その後は、レイナさんとカミラさん以外で交代しながらお肉や野菜を食べていました。
頑張ったちびっ子軍団も、もちろんお肉に大満足です。
こうして、安息日のひとときをみんなで楽しみました。
たまには、こうしてみんなでワイワイするのも良いですね。
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