九百十三話 お魚料理を堪能します

 水遊びのあとは、屋敷に戻って昼食をごちそうになります。

 もちろん、普通の服に着替えてから屋敷に向かいました。

 全員が水遊びを満喫していて、特にちびっこ軍団は大満足だった。

 今度はメイちゃんとリラちゃんとも一緒に来ようねと、楽しそうに話していた。

 因みに、ドラちゃんは逃げ疲れたので一足先に屋敷に戻りました。


「みんな、水遊びは楽しかったかしら?」

「「「楽しかったー!」」」


 屋敷に入ると、ヘンリーさんのお母さんが僕たちを出迎えてくれた。

 ヘイリーさんの銀髪は、お母さん譲りだったんだ。

 子煩悩な母親って感じだし、ミカエルたちも直ぐにいい人って思ったみたいだった。


「この分だと、直ぐに他の人に水遊びが良かったと喋りそうです」

「あら、それはとてもありがたいわ。王都から離れている土地柄ってのもあるから、沢山の人が来てくれるのは嬉しいのよ」


 まだワイワイとしているちびっこを見ながら話をしたけど、領主夫人としては沢山の人が領民になってくれることを祈るばかりですね。

 早速僕たちは、食堂に向かいました。


「「「おおー! お魚だ!」」」


 既に食堂には特産の魚を使った料理が並んでいて、良い匂いにミカエルたちは大興奮です。

 さっそく席について、食事を頂きます。

 思ったよりも大きな魚をステーキみたいに焼いたものや、煮付けもあります。

 身をほぐしてもらって、さっそく食べ始めました。


「「「もぐもぐ、おいしー!」」」

「それは良かった。たくさん食べるんだよ」

「「「うん!」」」


 以前レイクランド辺境伯領で魚料理を食べた事があるけど、また違った美味しさだった。

 ケイマン男爵も、一生懸命に魚を食べるちびっこ軍団を満面の笑みで見ていました。

 ミカエルたちは不味かったら不味いとはっきり言うので、もりもりと食べているのは美味しい証拠でしょう。

 現に、リズたちはほぼ完食に近いほどでした。

 すると、僕の通信用魔導具に通信がありました。


「えーっと、陛下と宰相からです。魚料理を、お土産として持ってきてくれだそうです」

「お父様、相変わらずね……」


 思わずレイナさんはガクリとしていたけど、この分だと留守番をしている他の人たちの分も頼まないと駄目っぽそうです。

 魚の切り身とかを沢山分けて頂いたので、大丈夫だと思いたいです。

 ケイマン男爵としてはいきなり王家献上になってビックリしていたけど、陛下だから気にしなくて良いですよ。

 こうして、ケイマン男爵領での水遊びは終わりを告げ、僕たちは挨拶をして帰って行きました。


「「「すー、すー」」」


 遊び疲れちゃったので、ちびっこ軍団は辺境伯家の屋敷でぐっすりと寝ています。

 それだけ楽しかった証拠ですね。


「今度は、私たちも行きましょうか」

「辺境伯領だと水遊び出来る場所がないから、ある意味貴重ね」


 ちびっこを寝かせていたエマさんとオリビアさんも、水遊びに興味を持ったみたいです。

 さり気なくソフィアさんもアピールしていたけど、双子ちゃんと違ってまだシェファードちゃんは赤ちゃんだから面倒をみないといけないんだよね。


「シーちゃんも、夕食で美味しいお魚を食べましょうね」

「あい!」


 シェファードちゃんは食べるのが大好きだから、きっとケイマン男爵領のお魚を気に入ってくれるはずです。

 因みに、王家などには一足先にお魚を送りました。

 さっそく、今夜の晩ごはんに出てくるそうです。


「エリちゃんも、お魚食べようね」

「うん!」

「ガウッ!」


 王家にお魚を届けたら何故かエリちゃんとネコちゃんがついてきたけど、一人と一匹も魚料理を楽しみにしていた。

 そして、アレクサさんとアンリちゃんも来ていて、仲良く積み木で遊んでいました。

 でも、そろそろ三人もお昼寝の時間ですね。

 いつの間にかネコちゃんに寄り添って、ぐっすりと寝ていました。

 クモさんも側に来て、お布団代わりにふわりと乗っていますね。

 今日は、とってものんびりとしています。


「ほら、アレク君もたまにはのんびりしていなさい」

「アレク君は、昔から周りに気を使っているわ」


 エマさんとオリビアさんは僕が小さい頃から面倒を見てくれたので、本当によく知っています。

 しかし、僕のベッドはリズたちに占領されているんだよね。

 なので、僕はネコちゃんの側にいてゆっくりする事にしました。

 因みに、夕食に出された魚料理はとても好評で、更に王城でルカちゃんとエドちゃんが絶賛していたので図らずともケイマン男爵領の宣伝になっていました。

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