九百六話 デンバー男爵家への処分案
翌日、念の為に陛下と宰相に昨日の辺境伯家での話の件を伝えたらオッケーが貰えたので、今日はブライトさんとシダーさんとレアさん、それにレイナさんとカミラさんたちがデンバー男爵家に向かいました。
特別調査チームは今はやる事がないので、リズたちも一緒にデンバー男爵家に向かいました。
僕はというと普通にお仕事があるし、ジンさんも軍の方で色々あるのでスラちゃんと共に向かいました。
「うーん、やはり断絶は免れないか……」
「過去に闇ギルドに加担した貴族家も軒並み潰れましたし、今回は関与の度合いが酷いですよね」
「ここで手を緩めると、他の貴族に示しがつかない。まあ、ブライトはしっかりしているし、貴族の子弟としての扱いは続くみたいだな」
宰相と内務部局から上がってきたデンバー男爵家への仮処分案を確認しているけど、デンバー男爵家からの資金提供を受けた犯罪組織が、王都で犯罪を複数犯していたのも確認された。
主人と側室殺しの罪もあるので、特に主犯の正妻は厳罰に処されるでしょう。
そして、現在は正妻の実家の捜索をしているのですが、今は実家が正妻の罪に加担した証拠はないそうです。
でも宰相曰く、正妻のせいでデンバー男爵家が潰れたに等しいので、正妻の実家はブライトさんに多額の慰謝料を払わないとならないそうです。
側室の殺害容疑もあるけど、正妻の保有している金品で慰謝料が払えるか微妙ですね……
そして、近いうちに側室の実家とブライトさんが会うことになっています。
側室の父親がまだ現役の当主で、ブライトさんは実の孫に当たります。
祖父も、デンバー男爵家に思うところは沢山ありそうです。
「とにかく、無事に葬儀を終えてから処分をすることになる。貴族を集めて処分内容を伝えないとならないし、本当に面倒くさいことになったな」
「同感です。目的を達成するなら手段を選ばないなんて、あってはならないです。欲にまみれると、ろくな事が起きないですね」
「過去にも跡目を巡って争いはあったが、ここまで酷いのはなかった。王国史にも残るレベルだろう」
僕は正妻のやることを理解できなかったし、真には理解できないと思った。
欲にとらわれて視野が狭くなり、結果として人の命を奪ったのだから。
こうして、仮処分案は問題ないと内務卿に戻されました。
「あたしは信じられないよ。自分の欲の為に、子どもたちを争わせるなんて。そこまでして金が欲しかったのかね」
「うーん、何か理由がありそうですけど、それにしても酷いですわね」
シーラさんとローリーさんも、正妻のやったことは思わず首を傾げるレベルだった。
特に母親でもあるシーラさんは、かなりの憤りを感じるレベルだった。
この辺は、事情聴取が進んで明らかになるはずです。
そして、カミラさんから僕の通信用魔導具に連絡が入り、無事に葬儀の日程と参加者が決まったそうです。
五日後の予定で、王都にあるデンバー男爵家と縁のある教会が快く引き受けてくれたそうです。
また、やはり当主が捕まったデンバー子爵家などは葬儀に参加しないそうです。
無事に決まって、何よりですね。
葬儀費用は、ブライトさんが冒険者として貯めたお金を出すことになりました。
これは、ブライトさんが譲らなかったそうです。
葬儀日程が決まれば、処分を下す日程も組むことができます。
聴取の結果如何ですけど、葬儀が終わって一週間後に裁判が開かれるそうです。
既に物的証拠も押さえているので、言い逃れはできないそうです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます