八百六十九話 冒険者ギルドの食堂からの依頼
教皇国にレイナさんとカミラさんが行く日はまだまだ調整中ですけど、その間にも僕たちは普通にお仕事をしたり冒険者活動を行います。
ナッシュさんとスタンリーさんが優秀なので、僕の仕事も少しずつ移って行きます。
そんな中、今日は辺境伯領にある冒険者ギルド内の食堂の依頼を受ける事になりました。
「お掃除、頑張るぞ!」
「「「おー!」」」
「ははは、元気いっぱいだな」
実は食堂内の厨房機器を更新するそうなのですが、良い機会なので大掃除をすることになりました。
ミカエルたちはかなり張り切ってるけど、流石に厨房内に立ち入るのは危ないのでテーブルと椅子を綺麗にする事になりました。
やる気満々のちびっ子軍団を、食堂のおじさんも微笑ましく見ています。
厨房内の清掃は、僕とリズ、サンディにイヨ、ジンさんたちで行います。
ちびっ子達の引率はお馴染みになったルシアさんで、ポッキーを始めとしたマジカルラット部隊もやってきました。
王族組とティナおばあさまは、今日は王城でお茶会があるそうなので冒険者活動はお休みです。
ではでは、さっそく始めましょう。
「じゃあ、でかい荷物を運んじゃおう。アレク、スラちゃん、ポッキー、やってくれ」
「分かりました。じゃあ、アイテムボックスにしまいますね」
「キュッ!」
最初に、一人と二匹のアイテムボックスに次々と大きい厨房機器をしまっていきます。
すると、厨房内がどんどんと広くなっていきました。
調理器具なども、アイテムボックスにしまいます。
そして、一旦冒険者ギルドの裏手に移動して、確保してあるスペースに厨房機器を取り出します。
そこで、使わないものとまた使うものに分けてアイテムボックスから取り出します。
僕たちが選ばれた理由の一つに、アイテムボックスを使える人が複数いる事があります。
重い荷物も、あっという間に運ぶことができます。
「うーん、油汚れが凄いですね。生活魔法を使っても大して綺麗になりませんでした」
「仕方ないよ。もう二十年以上は使っているからね」
食堂のおばちゃんも、厨房機器に長年積み重なった汚れを見て思わず苦笑していました。
ちなみに古い厨房機器もリユースするので、ある程度油汚れを落とします。
ということで、ここからは洗う係にバトンタッチします。
「ほらほら、あたしも手伝うからガンガン洗うよ」
「「へーい」」
洗う係は、レイナさんとカミラさん、それにルリアンさんとナンシーさんです。
ジンさん曰く洗い物なら大丈夫だということなので、この場を任される事になりました。
大きいブラシに石鹸をつけて、油汚れを落とし始めます。
ポッキーが監督役としているそうなので、ここはお任せします。
ポッキーも手をふりふりして任せろといいつつ、念動でブラシを複数使って厨房機器を洗い始めました。
僕とスラちゃんは、再び厨房に戻ります。
すると、おじさんとジンさんが腕を組んで悩んでいました。
「うーん、一部床材が腐っているな。こりゃ張り替えが必要だぞ」
「水も使うから仕方ないだろう。この時点で気がついて良かったってことだ」
水回り付近の木材が、一部腐っていました。
このままでは、もっと腐食が進んでしまいます。
もっとも、こういう事態を想定していたので、おじさんは木材も用意していました。
という事で、厨房内の油汚れを落としつつ腐食部分の除去と木材の補強を行います。
「じゃあ、僕たちはどんどん洗って行こうね」
「「「おー!」」」
僕たちは、デッキブラシを手にして床や壁を綺麗にしていきます。
水回りの工事を始める前に清掃を終える必要があり、おじさんとジンさんも清掃を行います。
ここで大活躍しているのが、スラちゃんとプリンでした。
「わあ、凄いね。スラちゃんとプリンが天井とかに付いた油汚れを溶かして吸収しているよ!」
スライム的特性を発揮して、スラちゃんとプリンは人の手が届かない天井や壁を綺麗にしていきます。
僕たちも手分けして清掃を行い、一時間かけて厨房内をピカピカにしました。
更に、水魔法を使って配管の中の汚れを一気に流していきます。
長年の汚れが蓄積していそうですね。
ここまでやって、ようやく生活魔法が使えて、色々なところが綺麗になりました。
でも、まだまだ作業は終わりません。
今度は、一部床材の張り替えです。
ここで力を発揮したのがスラちゃんです。
「じゃあ、ここまで床材を切ってくれ」
おじさんに範囲を指示されたスラちゃんは、了解と触手をふりふりしながら風魔法でスパッと床材を切断しました。
みんなで手分けして切断した床材を剥がして、僕がアイテムボックスにしまっていきます。
切断した床材は、後でまとめてゴミとして出す予定です。
こんな感じで、昼食前までに腐っていた床材を全部剥がし終えました。
さてさて、他の場所はどんな感じかな?
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