八百六十二話 ちょっとはしゃぎすぎたかな?

 リズたちと一緒に王城に行くと、さっそくティナおばあさまが満面の笑みで僕たちを出迎えてくれた。

 ティナおばあさまも、辺境伯様から連絡を受けたみたいですね。


「アレク君、リズちゃん、エマとオリビアの結婚が決まって良かったわね」

「うん、リズもとっても嬉しいよ!」


 リズも、笑顔でティナおばあさまに抱きついていました。

 ティナおばあさまもエマさんとオリビアさんとは付き合いが長いし、何よりも僕たちがお世話になったのもありそうです。

 リズ達はこのままティナおばあさまのところに残って、ルカちゃんエドちゃんの勉強をみるそうです。

 僕は、リズ達と別れてプリンと共に宰相執務室に向かいました。


「おはようございます」

「アレク君、おはよう。辺境伯家の件は聞いたよ。まあ、何も問題ないだろう」


 僕が宰相執務室に入って直ぐに、宰相からもエマさんとオリビアさんの結婚の連絡があったといわれた。

 既に根回しもされているみたいで、結婚の手続き的にも問題ないそうです。

 僕も、席について仕事を始めます。

 すると、またもや宰相から僕に話がありました。


「あっ、そうそう、別件の話があるよ。午後から会議がある。議題は闇ギルドについてだ」

「昨日、ピエロを捕まえたばかりですからね」

「ピエロを捕まえたとはいえ、構成員は残っている。先日は闇ギルドの行った行為に似せた犯罪を犯した組織がいたし、模倣犯にも気をつけないとならない」


 宰相も、当分は対策が必要だと思っていた。

 その証拠に、ジンさんは辺境伯領に残ってジェイド様と辺境伯領の防衛をどうするか話をするそうです。

 そして、もう一つ宰相から話がありました。


「ナッシュは明後日配属になるが、それとは別のものが配属されることになった。既に事前面接もしていて、経歴なども問題はない」

「ちょっと話のあった件ですよね」

「アレク君の業務量は、二人分だからな。男性だが、誠実なものだ」


 良い人だったら問題ないと思うし、何れにせよジンさんチェックも入りそうですね。

 宰相が良い人って言うのだから、多分大丈夫だと思うけど。

 そんなことを思いながら、いつもの書類整理を進めます。


「今日は書類が少ないので、書類整理も直ぐに終わりますね」

「入園式も終わったし、各部署の事業も始まったから余程の計画変更がなければ業務は少ないだろう。辺境伯のところの結婚も、書類申請が済めば必要な手続きは終わりだ」


 宰相も書類にサインをしながら、少しのんびりとしています。

 やっぱり年初めの猛烈な忙しさと比べたら、かなり業務量が落ち着いています。

 こうしてのんびりしていると、賑やかさの方からやってきます。


 ガチャ。


「アレクお兄ちゃん、きたの」

「あうー」

「グルル」


 エレノアが、エリちゃんとねこちゃんを引き連れて宰相執務室にやってきました。

 サンディとイヨも一緒です。

 何故か王妃様もアリア様もいないし、何かあったのかな?

 すると、エレノアが残念な理由を教えてくれた。


「あのね、ルカちゃんとエドちゃんがエマさんとオリビアさんの結婚のことで、勉強を放置して盛り上がっちゃったの。それでお母様に怒られているから、エリちゃんと一緒に避難してきたの」

「あうー」


 エリちゃんも、お兄ちゃんがお母さんに怒られているのは何となく分かっているみたい。

 そして、リズもついてこないってことは、一緒に怒られていそうです。

 ソファーに座って、さっそくお菓子を食べ始めていた。

 この分だと、午前中いっぱいは宰相執務室でエリちゃんの面倒を見ることになりそうですね。

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